【Phidias Trio vol.11 “In-between”】作品紹介: 夏田昌和《Scherzo synchronisé》(2024)
2024年12月13日にPhidias Trioの定期公演「In-between」が行われます。
今回はヴォルフガング・リーム、ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥ、ルイージ・ダラピッコラの作品に加え、夏田昌和さんの委嘱新作を初演します。
公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。
今回は、夏田昌和さんの委嘱新作《Scherzo synchronisé》(2024)です。
夏田さんご自身による作品解説です。
今回のプログラムを見ると、「歌(Gesang)」、「ファンタジー」、「カノン」、「ソナチネ」、そして夏田さんの作品には「スケルツォ」と、西洋のクラシック音楽、特に19世紀あたりまでの潮流の中でキーワードであったものが並んでいます。
現代の音楽家が、過去の潮流にどのように対峙し、新しい道を切り開いていくのか、ということに関して、これまでのフィディアスの公演でも様々な切り口から取り上げてきました。
今回のvol.11 “In-between”では、それぞれの作品そのものが、過去の音楽や芸術の潮流に存在したスタイルや要素を取り扱っています。それは過去にあった音楽と真っ向から対峙することを意味し、そこから真に新しいものを生み出していく道は、ある意味で狭く険しいものとなるかもしれません。
しかし、過去と未来の「はざま」にあるこれらの作品たちは、ある種のストイックさを感じさせながらも、豊かさ、ピュアな新鮮さを持っていて、音楽というものにまだまだ存在する、未知の深い世界を感じます。
そんな今回の公演のために書いていただいた、夏田昌和さんの新作は必聴です!
12月13日、杉並公会堂にてお待ちしております!
(Phidias Trio)
【公演詳細】
Phidias Trio vol.11 “In-between”
2024年12月13日(金)
19:00開演(18:30開場)
杉並公会堂 小ホール(杉並区上荻1-23-15)
一般3,000円 / 学生2,000円(当日券は各500円増し)
【プログラム】
夏田昌和:Scherzo synchronisé(2024 委嘱新作・初演)
ヴォルフガング・リーム:Gesangsstück (2002)
ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥ:Qasid 3 (2000-2001)
ルイージ・ダラピッコラ:パガニーニのカプリッチョによるカノン風ソナチネ (1942-1943)
どんな時代にあっても、過去から学ぶべきことは多い。しかし、新しい芸術を生み出すためには、その先の未来に目を向けなければならない。音楽家たちはいつも過去と未来のはざまに立たされることになり、そこに多くの葛藤や格闘が生まれる。だからこそ「今」の音楽たりえるのである。
今回のフィディアス・トリオの公演 “In-between”=「はざま」では、このことを様々な角度や視点から炙り出す。ヴォルフガング・リーム、ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥ、ルイージ・ダラピッコラの作品に加え、夏田昌和による委嘱新作を初演する。
彼らはどのように過去の潮流と対峙し、独自の道を見つけていったのか。多種多様なそれぞれの答えは、未来を照らす揺るぎない光となるはずである。
【出演】
Phidias Trio (フィディアス・トリオ)
ヴァイオリン・ヴィオラ 松岡麻衣子
クラリネット 岩瀬龍太
ピアノ 川村恵里佳
2017年に結成。これまでの主催公演では、現代の優れたクラリネット三重奏の作品を取り上げるとともに、 オーストリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、トルコ、韓国、日本の若手作曲家の新作を初演し、 好評を博す。また、ハニャン現代音楽祭(韓国・ソウル)や、日本作曲家協議会主催「日本の作曲 家2021」等、数々のプロジェクトに招聘されている。2021年12月に出演した日本現代音楽協会 主催「ペガサス・コンサート vol.3」の公演の模様は、NHK-FM「現代の音楽」にて、2週に渡って放送された。読売新聞に掲載の「評論家4氏が選ぶ今年の公演ベスト3」にて、2023年の主催公演「Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”」が選出される。
https://phidias-trio.com
お問合せ:
phidias.trio@gmail.com
主催:Phidias Trio