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pherim
2023年4月16日 15:25
現代の都市生活にあってリアルへのとば口は、都心の閉鎖空間にこそ開く。ふだんは気にもしないブロック塀を抜ける朽ちかけた木扉や、マンション地階のごみ収集場から地下へと降りる階段の先で、真実はつねに口を開けている。そこは精霊の現れぬ森であり、自我の輪郭は森奥でどろりと溶けだすときを待っている。 線路際まで迫るスラムを列車が走り抜ける光景は、いまやバンコク近郊の観光資源になって久しい。東京以