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pherim
2020年10月11日 08:24
さうしてこの人気のない野原の中で、 わたしたちは蛇のやうなあそびをしやう、 ああ私は私できりきりとお前を可愛がつてやり、 おまへの美しい皮膚の上に、 青い草の汁をぬりつけてやる。 (萩原朔太郎 「愛憐」) 闇を厭い、光を求める。生存本能がそう欲する。闇を恐怖する。真の孤独は光からこそ生じるのに。視野へ見とめたわずかな昏がりを闇と錯覚し、ただひたすらにそれを恐れる。その闇は影であり、
2020年2月16日 10:36
目覚めの小一時間を、ふだんより大切に過ごす試み。として、まずは丸ごと執筆作業に充ててみる。手洗いやコーヒーを淹れるなど最小限の作業のほかは、寝覚めの空白のまま言葉の空白にただ向き合う。これまでにもたぶんくり返し思い至ってきたことだけれど、この作業には見通しがなく、キリもない。井戸から水を汲みだしつづけるようなもので、湧きでるかぎりいくら汲みだしても際限はなく、いつ水が涸れるかもわからない。ただ近