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第53回 細胞検査士一次試験 婦人科 解説

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第53回細胞検査士一次試験 婦人科領域の解説をまとめたものです。よかったらみてください。(#^.^#)
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#婦人科

19 .子宮平滑筋腫について誤っているものはどれですか .難易度:★★☆

裏回答5⇒○子宮筋腫の悪性化は0.5%以下 解説子宮筋腫とは子宮筋腫は子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍(平滑筋腫)で、発生・増大にエストロゲンが関与するエストロゲン依存性疾患です。婦人科疾患の中で最も多く、生殖年齢の女性の20-30%にみられ、好発年齢は30-40代です。ほとんどは子宮体部(95%)に発生し、多発することが多い(60-70%)です。悪性化は0.5%以下と極めてまれです。 臨床所見鉄欠乏性貧血、過多月経、不正出血、月経痛(月経困難症)、不妊、下腹部

18 .子宮体癌について誤っているものはどれですか .難易度:★☆☆

裏回答5⇒○乳頭状増殖やホブネイル状の形態を呈するのは明細胞癌。類内膜癌は腺腔様構造や充実性増殖が特徴的。 解説1型子宮体癌とⅡ型子宮体癌の違い子宮体癌は臨床病理学的特徴からⅠ型子宮体癌とⅡ型子宮体癌に分類されます。 Ⅰ型子宮体癌😷エストロゲン依存性であることが特徴で、ERやPgRが陽性で子宮内膜増殖症を合併することが多いです。閉経周辺期あるいは閉経前の比較的若年女性に発症し、その組織型は類内膜癌であり内膜癌の80%を占めています。一般的に高分化型が多く、体部筋層浸潤は浅

17 .子宮頸部上皮内腺癌について誤っているものはどれですか .難易度:★☆☆

裏回答①⇒○背景はきれい解説 AISはよくでるので勉強必須です((φ(>ω<*)子宮頚部上皮内腺癌🦠(adenocarcinoma in situ: AIS)既存の頚管腺または表層被覆上皮を置換するように腺系の腫瘍細胞が増殖する病変です。 浸潤性腺癌の前駆病変として位置づけられます。 ほとんどが常に高リスクHPVが発生に関与しており、HPV16・18型の頻度が高いですが、特にHPV18型が特徴的です。🦠 臨床所見好発年齢:30-40代、症状:無症状が多い。細胞診で見つか

16 .誤っている組み合わせはどれですか .難易度:★☆☆

裏回答Chlamydia trachomatisの特徴的所見は細胞質内封入体解説今日のキーワード↓ 「ウイルスは単独で増殖できないため、細胞核に寄生して増殖する。なので、細胞核に異常所見が出やすい。」✍️細菌、真菌、原虫はサイズが大きいので、そのものが顕微鏡で40倍レンズで見えます。ウイルスは見えないので、核に異常を来している細胞で判定します。 Candida🐞属性は真菌常在菌であるカンジダの繁殖によっておこる性器の炎症。性行為などで移行したカンジダが繁殖したり(外因性感

15 .骨盤内炎症性疾患 ( PID )について誤っているものはどれですか .難易度:★★★

裏回答3⇒○基本的に微生物感染により引き起こされる。内膜細胞診検査は原因因子ではない。 解説骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease; PID)とは?骨盤内臓器(子宮、卵巣、卵管、骨盤腹膜など)の感染症を総称してPIDと呼びます。 PIDは子宮内膜炎、付属器炎、子宮旁結合組織炎、骨盤腹膜炎が含まれ、多くは上行性に感染が広がります。(※子宮頚管炎は含まれないことが多い) 上行性感染↓ 外部から侵入した感染により上行性に感染が広がること。尿

14 .子宮絨毛癌について誤っているものはどれですか .難易度:★★☆

裏回答4.⇒○絨毛癌は妊娠性がほとんど 解説絨毛癌は異型性を示す栄養膜細胞からなる悪性腫瘍で、病理組織学的に「絨毛形態を認めない」ものを指します。全胞状奇胎の1-2%に続発します。 妊娠性絨毛癌と非妊娠性絨毛癌に大別され、ほとんどが妊娠性絨毛癌です。 妊娠性絨毛癌は、経妊産婦であれば誰でも発生する可能性があります。 早期より血行性転移を来しやすいことも特徴的です。✍️ 絨毛癌↓大小不同著明な異型ラングハンス型栄養膜細胞が出現します。二核化やクロマチンの増量、核小体の

13 .子宮腟部の上皮について誤っている組み合わせはどれですか .難易度:★★☆

裏回答3.排卵期は表層細胞が主体解説今回の問題を解くためにはこれを知っておかないといけません。 今日のキーワード↓ 「エストロゲンは重層扁平上皮の表層への分化を促進する。」φ(・ω・`)メモメモまた、「プロゲステロンは中層細胞までの分化を促進する。」 女性ホルモンによって支配される月経周期におけるホルモン分泌の変化について画像を提示します。 画像にあるように、エストロゲン(E2)は卵胞期(増殖期)の後期から、排卵期にかけて上昇します。そのため、表層細胞が増加します。✩

9.萎縮性変化について誤っているものはどれですか.難易度:★★☆

裏回答C⇒○舟状細胞はグリコーゲンを豊富に含む中層細胞のことで、妊娠初期から中期にみられることが多い細胞です。D⇒○閉経後は分泌が低下するので、腟内環境は乾燥しやすいです。 解説萎縮性腟炎(老人性腟炎)は閉経や卵巣摘出後のエストロゲン低下が要因で起こる非特異性炎です。😵‍💫 エストロゲンの長期低下状態により、膣は萎縮し、膣からの分泌物が減少し、常在菌は減少して膣の自浄作用が低下します。腟壁は点状発赤を呈し、出血しやすい状態になります。 腟内pHは酸性から中性に近づき

10 .誤っているものはどれですか .難易度:★★☆

裏回答A,B⇒○本邦では、頸部細胞診が陽性の場合にHPV検査が推奨されている。解説頸部の検査の流れはよく出題されるので、知っておきましょう。メモメモφ(・ω・*) まず、頚部細胞診が行われます。これは、自覚症状がある場合や健診でも行われる一般的な検査です。細胞診の検体採取法には、擦過法、吸引法、穿刺法があり、擦過法が最も一般的です。|・ω・`)フムフム 子宮頚部のSCJ領域を中心にブラシなどで擦り細胞を採取します。(´つω・`) 擦過した細胞検体は乾燥しやすいので、すぐ

11 .卵巣境界悪性腫瘍のうち最も頻度の高い組織型として正しいものはどれですか .難易度:★★★

裏回答日本では粘液性境界悪性腫瘍が全体の62%、漿液性境界悪性腫瘍が全体の24%とこの2つが多い。明細胞性腫瘍と類内膜性腫瘍はほとんどが腺癌で、境界悪性は少ない。ブレンナー腫瘍は良性が最も多い。欧米では、漿液性境界悪性腫瘍が全体の52%を占める。 卵巣腫瘍は大きく分けて5つに分けられます。 ①表層上皮性腫瘍 ②性索間質性腫瘍 ③胚細胞腫瘍 ④胚細胞・性索間質性腫瘍 ⑤その他 です。 今回は①表層上皮性腫瘍についての問題になっています。 ①表層上皮性腫瘍は

1.臓器とそれを覆う上皮の組み合わせで正しいものはどれですか.難易度:★☆☆

第53回 婦人科 1番 裏回答B⇒○単層円柱上皮(粘膜上皮)C⇒○単層円柱上皮(粘膜上皮)D⇒○重層扁平上皮 解説はじめに、子宮腟部と子宮峡部の上皮について解説します。子宮腟部は重層扁平上皮、子宮峡部は単層円柱上皮で覆われています。そして、その境界にあるのが、扁平円柱上皮境界(通称SCJ)という部分で、予備細胞の上に扁平上皮が乗っかったような部分を指します。 また、扁平上皮は下から、傍基底細胞、中層細胞、表層細胞と分けられ、単層円柱上皮は粘液を含む偏在核の淡い細胞が特徴

2.コルポスコピーについて正しいものはどれですか.難易度:★☆☆

裏回答B⇒○移行帯は円柱上皮から扁平上皮への移行部分を指す。C⇒○Nabothian cyst(ナボット嚢胞)は移行帯でみられやすいD⇒○腺開口は移行帯でみられやすい 解説 婦人科において、コルポスコピーや組織診は細胞診で「異常あり」の時に行う精密検査です。 コルポスコピーは子宮頚部を腟拡大鏡(コルポスコープ)で拡大して観察する検査です。 3%酢酸溶液を子宮腟部、頚管内に塗布し、各種所見を白色にして顕著にさせます。(酢酸加工) 異常所見は移行帯(SCJの肉眼的な

3.正しい組み合わせはどれですか.難易度:★★☆

🔬明細胞癌🔬間質に好酸性無構造の基底膜様物質の沈着(間質硝子化,Stromal hyalinization) 🔬漿液性癌🔬最も頻度の高い卵巣腫瘍で、悪性度別の頻度は、良性(漿液性嚢胞腺腫など)60%、境界悪性(漿液性境界悪性腫瘍)15%、悪性(漿液性癌)25%を示します。漿液性癌は日本の卵巣悪性腫瘍のなかで最も頻度が高く約30%を占めます。 漿液性腫瘍では、良性悪性問わずしばしば砂粒小体(石灰化小体)がみられ、漿液性腫瘍の特徴的所見とされます。 🔬莢膜細胞腫🔬莢膜細

4.妊娠時にみられる細胞像として正しいものはどれですか.難易度:★☆☆

裏回答A⇒○妊娠初期から中期にかけて舟状細胞は増加するB⇒○有尾型はジンチジウム型栄養膜細胞、多稜形がラングハンス型栄養膜細胞C⇒○アリアス・ステラ反応は異所性妊娠でもみられる。 妊娠時の細胞像🔬腟上皮は妊娠により周期性変化が停止するため、排卵後の分泌期様の細胞像になります。 ①エストロゲンとプロゲステロンが急増する ↓ ②エストロゲン効果をプロゲステロンが阻止する ↓ ③プロゲステロン効果が顕著に現れる(分泌期様) といった流れになります。……🤔 また、