「地球最大の危機、気候変動 - 人類に残された唯一の解決策とは?」
経済成長は、私たちに豊かな生活を約束したはずだった。
しかし、現実はどうだろうか?
私たちの多くは
ヘトヘトになるまで平日は仕事に追われ、
土日は家でグッタリしているか、ショッピングでストレス発散...
ゆとりある生活どころか、大量生産・大量消費に飲み込まれ、
身も心も消耗しているのが現状ではないだろうか。
また、私たちの生活は
途上国の犠牲で成り立っていることも忘れてはならない。
例えば、手頃な価格で人気なファストファッションは、途上国の安い賃金と過酷すぎる労働環境の中で生み出されたものであり、
資本主義が招いた気候変動は、先進国が次世代への負担として先送りすることで事態は年々悪化し、その被害の多くを途上国に押しつけてきた。
だが、それも限界で
スーパー台風や大干ばつなど
破壊活動のツケが先進国にも及び始めている。
世界銀行によると、気候変動が深刻化した場合、2050年までに約1億4,300万人の気候難民が生まれ、世界は混乱状態に陥ると警鐘を鳴らしている。
世界有数の自然災害国の日本も他人事ではないはずだ。
それを阻止するには、
資本主義に急ブレーキをかけ、
「脱成長コミュニズム」を打ち立てなければならないと著者は訴える。
つまり、経済成長を前提とした資本主義では気候変動を止めることは不可能であり、
「脱成長コミュニズム」の道しか人類には残されていないというのが本書の主張である。
「脱成長」とは利潤追求をし続ける資本主義から脱却し、生活の質の向上を重視した「誰も取り残されない」社会を築く考え方。
「コミュニズム」とは教育、医療、電気などを共有財産として協同管理していく考え方である。
それにはまず、私たちが資本主義は「善」であるという考え方から脱皮し、新しい視点で社会システムを見直す必要がある。
とはいえ、問題の規模が大きすぎて「自分一人の力では何も変わらない」とあなたは思うかもしれない。
しかし、本書の事例にある
2019年9月に全世界で一斉に行われたグローバル気候マーチや
2020年1月のバルセロナの気候非常事態宣言も
最初はたった一人の活動から始まっている。
つまり私たち一人ひとりが勇気と覚悟を持って資本主義に異を唱えるための行動を起こせば、
より公平でより持続可能な経済モデルへの転換を実現できるはずだ。
さぁ、地球と人類の未来のために共に考えアクションを起こそう!
本書は、その道筋を具体的に示してくれる指南書である。
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