大きな夢を語っている自分はかっこいい、と勘違いしていた
大きな夢は、目の前に広がる星のようだ。
みているだけなら楽しい。
手を伸ばせば、届きそうだ。
でもそれは錯覚に過ぎない。
目には見えているけれども、それがどのくらいの距離なのかなんてわからない。
人生をかけて、夢を叶えようと頑張っても、それが無駄な努力になるかもしれない。
僕はライターになって、『毎日更新される医療の情報・ニュースをまとめて、情報過多で休みの日にも勉強をせざるを得ない薬剤師を支えるような活動をしたい』という明確な夢がある。
短期アルバイトなり副業などで、自分の生活費を稼ぎながら、空いた時間でライターとしての活動に専念しよう。
そう考えていたが、昨日シングルマザーの母親に「あんた、就活はしているのかい?」とLINEが来た。
今まで母親には、薬剤師にはならずライターになるなんて言えなくて、将来についての話はずっと避けてきた。
でも、もうここまできたら話すしかないと思って、電話で自分の夢について語った。
すると母親から、
そう言われた。
その通りだった。
親に頭を下げる勇気は出ない。
どうしてその勇気が出ないのか。
同期は次々と立派な就職先が決まっているのに、今年で25歳になる自分が夢だけ追いかけて親に養ってもらってたら、友達に顔向けできない。
ライターとしての活動はするけれども、遊ぶ時間もしっかり欲しい。でもそれが親のお金だとしたら羽をのばして遊べない。
全力でライターの仕事に専念できていないからまだまだ夢は叶えられなくて仕方ないと、言い訳できる。
そんなふうに心のどこかでは思っていたのだろうか…
ここ1年間ほど、ライターになると宣言していたものの、改めてもう一度考え直してみた。
本当にライターとしての夢を追う覚悟はできているのか?
全てを投げ打ってでも、人生をかけて叶える気はあるのか?
たとえ成功しないとしても、友達に笑われるとしてもやってみたいと思えることなのか?
そう自問自答してみると、YESとは言えない自分がいた。
僕の夢が薬剤師さんのためになるのかわからないのも一つの原因だ。
やることがたくさんあって、残業が絶えない。さらに全国的な薬剤師の人数は多いのに病院薬剤師は就業時間が長いのに給料が割に合っていないこと。残業があるから病院薬剤師は家庭を持ったら、離れるしかなくて中年の薬剤師さんが少ないこと。
それらを解決できないかと考え、自分の強みを活かすためには何ができるのかを考えた結果、今の夢が見えてきただけだ。
約半年間の薬剤師実習でそう感じただけだ。
実際、現場を経験していない僕は、これからしようとしている情報提供に意味があるのかはわからない。
なら薬剤師になって体験してみたらいいのかもしれないが、薬剤師実習だけでも、精神を病んでしまった過去があって、その道は避けたいと思ってしまう。
やはりそれは逃げでしかないのか。夢が叶わないようにしているだけなんだろうか。
自分がわからなくなってしまった。
今までの僕は、誰もやろうとはしない大きな夢を語ってさえいれば、薬剤師として働かなくても評価されると思っていたのだろうか。
本当はダラダラしたいだけなのだろうか…
わからない。
とりあえず、今日のやり場のない思いを記しておこうと思って、このオチのない文章を吐き出した。