見出し画像

病院薬剤師の質向上と定着を目指した「人材マネジメント研修」

福島県病院薬剤師会では、地域の医療を支える病院薬剤師の質の向上と長期的な定着を目指し、初めての試みとなる「人材マネジメント研修」を実施しました。

この度の研修は、病院薬剤師一人ひとりが自身の成長と向き合い、「服薬指導業務や病棟業務の拡充を進め、患者意識の向上を図るために、どのように同僚や後輩を巻き込み、具体的な行動に結びつけていくか」を考え、明日からすぐに実践できるステップを描くことを目指しました。

高度化・複雑化する医療現場において、病院薬剤師は医療安全を守り、医療チームの一員として重要な役割を担っています。そのためには、各薬剤師が高い専門性とともに、円滑なコミュニケーション能力やチームマネジメント力を備え、自己実現を図れる環境が不可欠とされています。

このような自己成長とやりがいが職場への定着意欲を高め、さらにはキャリア全体を通じて専門性を磨き、職場の安定化にもつながると期待されています。また、一人ひとりの成長が職場全体のスムーズな運営や、チーム力の向上に寄与し、福島県全体の病院薬剤師としての総合的な力の向上につながります。最終的には、県全体の医療の質向上につながると考えられます。

そこで、今回実施した研修の具体的な内容と、本研修の企画運営に携わったに、いわき市医療センター 草野 元先生、会津中央病院 鈴木涼子先生、竹田綜合病院 木本 真司先生、に弊社の人材マネジメント研修についてインタビューさせて頂きました。

左から、竹田綜合病院 木本 真司先生(当日ご欠席)、
株式会社pharmake 田口恵実、
会津中央病院 鈴木涼子先生、 いわき市医療センター 草野 元先生、
会津医療センター附属病院 樫村薫先生

■ 今回の研修はどのような内容でしたか?

マネジメントに関する課題意識を漠然と持っているものの、具体的な必要性を実感していない、もしくはまだ課題意識を持っていない方に向けて実施しました。内容は、アクティブリスニングや相手のタイプに合わせた効果的なコミュニケーション方法に焦点を当て、実際のシチュエーションで活用できるよう、具体的なケーススタディを取り入れました。

ロールプレイが苦手な方でも取り組みやすいよう、ケースごとに適したスクリプトを用意することで、全員が積極的に参加している様子が伺えました。

また、リアルタイムでQ&Aを投稿でき、他の人の質問に「いいね」を付けられる形式を採用したことで、当日は多くの質問が寄せられ、非常に活発な場となりました。「いいね」の多かった質問にはその場で回答し、回答しきれなかった質問については後日、講師から回答することにしました。このように多くの質問が出たことから、参加者の関心の高さと意欲を感じさせました。

リアルタイムで学びを投稿している様子

■ 初の人材マネジメント研修を行ってみていかがでしたか?

学術的な研修とはまた違い、30歳代の受講者が楽しく研修を受けていたようなのでやってみて良かったです。

人材マネジメント、というと管理職以外の薬剤師にとっては取っつきにくい分野だと思っていたのですが、「コミュニケーション能力」、「チームマネジメント能力」という言葉に置き換えると、多くの薬剤師にとって身近なテーマになったと思いました。今回、なんとなく中堅薬剤師を対象に、と考えていましたが「中堅」という定義が意外に難しいことが分かりました。

今回の研修を体験して、「コミュニケーション能力」、「チームマネジメント能力」は、これからの病院薬剤師には最も求められる能力のひとつであると思いました。そのため、薬剤師の経験年数に拘らず今回のような研修を繰り返し受ける必要があると感じましたし、むしろ新人~2・3年目の薬剤師に対してより有効かもしれないと思いました。

高いコミュニケーション能力は様々な仕事上の困難(仕事だけとは限りませんが)に柔軟に対応できるようになるでしょう。
そうなれば、自ずと快適な職場やチームになるでしょうし、パフォーマンスも上がるでしょう。
私としては、積極的にこのような研修を進めていくべきかと思いました。

■ 株式会社pharmakeに依頼してみていかがでしたか?

人材マネジメント研修を行う会社はたくさんあると思いますが、薬剤師で以前に医療現場も経験されているpharmakeの田口先生で良かったと思います。

中堅薬剤師向けの人材マネジメントの研修、というあいまいな研修目的から数回の打ち合わせの中で、最終的に服薬指導業務やチーム医療を含む病棟業務に役立つコミュニケーション能力、チームマネジメント能力を伸ばすという目的にフォーカスを絞った研修となり、大変助かりました。

実際の研修では、ロールプレイやグループワークに不慣れな参加者でも十分対応できるようにきめ細やかなプログラムが組まれていて、安心できました。研修題材も「病院薬剤師」という背景を踏まえて設定してあり、参加者がより当事者という立場で研修を受けられたと思います。

3時間という長時間にも関わらず、参加者全員が熱気にあふれ活発なグループワークとなっていたので、研修会を企画した甲斐がありました。

また、スマホを使用したアンケートやQ&Aは、参加者にとっても発言しやすかったようで、こういった新たな取り組みも我々だけではできなかったことだと思います。更にアンケート結果の集計などのフィードバックが早く、今後の研修会の企画を計画するのに助かっています。
ありがとうございました。


■ 株式会社pharmakeについて

株式会社pharmakeは「病院薬剤師の新しい世界を創る」ことをビジョンに掲げるスタートアップ企業です。「病院薬剤師の持続可能な働き方を「共創」する社会」の実現を目指しています。自己犠牲的な長時間労働の基に成り立つ医療を変え、より多くの病院薬剤師が職能を発揮することで、医療の質の向上に寄与する。そんな世界の実現に向けて、日々活動を続けております。


いいなと思ったら応援しよう!