何回まちがえるんだよ!~ごもっとも!~

同じ患者さんに同じ失敗をする、不思議サイクルが存在する。

初回はA薬剤師。用量違いの薬を調剤(30mgのところを20mg)。まさに交付直前、患者様の目前で気がつき回収。交付に至らなかった。

2度目は、B薬剤師。用量違いがあることを知らずに調剤・交付。定期処方薬なのでもうご存じの薬、と、ぱっと渡しただけだったよう。
患者様は帰宅後開封、間違いに気がつき、翌日再来店。管理薬剤師に薬を投げつけ怒鳴った。
「次はないぞ!」

こちらもインシデント対策を施した。2つの用量違いの棚を離し、電子薬歴にも記載し、と。

その後数回は無事に交付。

しかしながら最近、また起こった。

C薬剤師、9シート中1シートだけ、用量違いが混ざっていた事に気がつかず投薬。
数日後、その1シートに至ったのだろう。患者が乗り込んできた・・。

『その時居た奴ら全員謝りに来い!!』

と言ったとか言わないとか・・。

部長、管理薬剤師、監査者が揃って患者宅へ謝りに行く事になった。菓子折りを持って・・。

~~~~~

ここで個人的に事例を振り返ると、

A薬剤師は、騒ぎ足りなかった。

→患者様が不信感を持った、と認識はしながら未然に防いでいるから。

会話程度で一部のものしか知らないし、聞いた者も「ふうん」程度で流したのだろう。回りも、自分もやるかも?という危機感が足りない。

B薬剤師は、思い込みと確認不足

処方箋に書かれた文字の最後まで、用量まで見ていない。かつその用量を見たことがなかったという経験不足。かつ、薬袋へ入れる際の説明イメージ図も見ていなかった、ということになる。

C薬剤師は、疑い不足(確認不足)

これは不幸が重なったが、誰かが間違えて別棚へ戻している。それに気がつかず調剤者は間違いシートを含めた数を束ねて監査者へ渡した。束ねられたものをそのまま袋詰めしたことが敗因。
監査は疑ってかかるもの。束ねられているならば解いて「薬の顔」を確認する。薬の顔のみならず、ヒートの汚れ・破れ等も見るものです。

棚に間違えて戻した人にも自分の確認不足を認識してもらわないとまた繰り返されるであろう。


患者様は、「またなのか!前回『もうしない』って言っただろう!」と怒るが、実は別の人間がやらかしているから本人達には初失敗なのだが、『薬局がまた間違えた』と評価判定される。

もう来て下さる事はないのでは?とは思えど四度目が起こる可能性はある。

対策を練るもそれをすり抜けまた起こるのは、対策になっていないし徹底されていないということ。
これを防止するには、やはり管理薬剤師や社員の存在である。
対策を練り、徹底していく存在は確保してしかるべき。

かつ、国家資格を持つ者として、基本は疑って監査しないと、患者様の手元に確実な薬は届かない。
『あの人を疑うなんて』『あの人は間違えないだろう』等、基本信用してるから、ではないことを念頭に勤務せよ、薬剤師!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?