「出されるから毎日飲んでました。」〜痛くないのに?〜
毎回鎮痛薬(ロキソニン)を1日3回毎食後、1か月分Do処方される患者様。
このクリニックからは胃薬の処方はない。
痛みが強いのかなあ?と、声かけしてみた。
「◯◯さん、痛み止めを長く飲んでいらっしゃいますが、相当痛いの?」
すると、
「普段は痛くないけど、先生に『毎日飲んでいい』って言われたから。
行くと毎回出してくれるし、たまに痛みが強い時もあるから、毎日飲んでおいたほうがいいかなあって思って。」
・・・えっ!?
行き違いを感じる・・・。
患者様は先生が出すから飲む、先生は毎回無いと言うから出す・・・。
病態の聞き取り時には、「痛い」と回答しているのだろう。(推測だが)
慢性の痛みなら、他にも薬はある。
話してみることにした。
「このお薬、胃を痛めることもあるのですが、胃の調子はどうですか?」
すると、患者様、食いついてきた。
「えっ!? 私、胃が弱いんですよ?! 他の病院で胃薬処方してもらったこともあって・・この薬、胃を痛めるのですか?!」
事実を伝える。
「はい、長い間飲んでいると胃を痛める方がいらっしゃいます。なので胃薬と併用している方もいらっしゃいます」
「そんなことは今まで誰も言わなかったわ!先生も!
それを知っていたらあまり痛くない時は飲まなかったのに!」
頑張って飲んでいたとのこと。
「そういうのを先に教えてくれないと!どうして誰も・・・」
漫然服用になるとは想像してなかったことと、何回目かの交付時には、誰かがもうすでにお伝えしたと思ってるのではないかな?
先生と他の薬剤師フォロー。
「副作用の話はお伝えの判断が難しく、治療を妨げる結果にならぬよう、お相手によったり、症状の聞き取りからになります。今までお渡しの時に十分なお時間を取れなかったようで、申し訳ありません。」
「私は知りたいタイプなので、今後は教えてください!」
大変感謝され、帰って行かれました。
次回、またお声がけできたら良いなあ。
さて、今回の例を参考に、『お薬服用の目的』をどうも見失っている方がいるのではないだろうか?
急性症状のためのお薬は症状がないのに漫然と飲むべきではないこと。
お体、家計、医療費にとっても「優しく」ありたいものです。