エージェントが口うるさい理由を考えてみた
これは Ingress & Wayfarer Advent Calendar 2020 企画とは一切関係のない記事を、かじぃがたまたま12/26に書いているだけのものです( ー`дー´)キリッ
いや、ごめん。ほんとは記事なんか書く気はなかったんだ。
だけど書きたい内容が出てきてしまったので、書いてるだけ。
他意はございません。
昨日の話なんですけどね。
とあるポケGOトレーナーさんとTwitter上でお話をしたわけです。
ここに載せていいですか?なんて話はしていないので、お名前は伏せておこうかなって思いますけども。
主題としては、当初ポケGOトレーナーに対するIngressエージェントの不信感の話だったのですが。
やや先方に誤った認識があったようで、オレのTweetが引用されたのでその会話に気づき、縺れた紐を解きにちょっと横から口を挟むような形になったわけです。
ちょっとのつもりがだいぶ込み入った話になってしまいましたけど。
ちょいといっぱいのつもりで呑んで♪
いつの間にやらはしご酒♪
おーとーこだったぁらー♪
ひとつにかーけーるー♪
かーけてもーつれた糸を解くー♪
気分は植木等と大川橋蔵ですが、古すぎて誰もついてこれない感満載ですね。
茶番はほどほどにして、話を進めましょう。
ほんで「なんでポケGOトレーナーはチートを良しとするのか」みたいな話になったんですよ。
IngressエージェントがポケGOトレーナーを信用できない理由として「だってあいつらチートするやん」っていう話の流れがあったので、そういう話になったわけです。
チートって言っても色々あるわけです。
位置偽装、複アカ、アカウント共有による代行プレイ、Wayfarer捏造(位置ズラシや写真合成を含みます)。
そしてリアルサイドでの迷惑行為となるようなプレイ。
私有地不法侵入、時間外侵入、商用地駐車場占拠、交通阻害(道塞ぎ)、プレイしながら運転などなど。
これらの事はもちろん、Ingressのエージェントでやってる人が皆無というわけではありません。
ですが、エージェントはそれらが「悪しきもの」だという認識を持っている人達が多い気がします。
で、よくよーく考えてみたんですよ。
「ポケGOトレーナーってなんであんなに身勝手なんだろう?」って。
だけど、話を聞けば聞くほど「今のソシャゲってそんなもんでしょ?」って答えが返ってくる。
「いや、Nianticのゲームってソシャゲじゃねーし」っていう返しは置いておいて、ポケGOトレーナー達がおかしいんじゃなくて、Ingressエージェントがおかしいのか?なんて気分になってくる。
「ポケGOトレーナー達がチートや迷惑行為に対して甘い」のではなく「Ingressエージェント達がNianticが定めた規定を遵守している」ような気がしてきたわけです。
いや、もちろん、「規約ガン無視」が一般的になってる事自体おかしなことなんですけどもね。
これには様々な背景があるように思えます。
日本のスマホゲーのメインとなっているソシャゲがなぜ複アカを容認しているのか、リセマラがあたりまえになっているのか。
そこからソシャゲの運営は実質チート容認と思われるようになった流れもあります。
Ingressがソシャゲではないのに、スマホゲであることからソシャゲと同一視されている流れもあるでしょう。
それまでソシャゲになんか見向きもしなかった非ゲーマー層がIngressになだれ込んできて、エージェントという特殊なゲーマーになったという流れも無視できません。
「チーター死すべし」というコアなPCゲーマー層(ビデオゲーム含む)だったけど、ソシャゲは気に入らんから一切やってないという層も居そうな気がしますね。
しかし、ポケモンGOになだれ込んできたトレーナーの多くは、ソシャゲ層だったんじゃないかと思います。
たぶん、これが悲劇のはじまり。
何がNGなのか明記された規約や規定を読み飛ばしたソシャゲ層は、ソシャゲの文化をそのままポケモンGOに持ってきてしまった。
「イージーモードで時間を掛けずにサクサク進むオレTUEEEEEの為ならなんでもするやで」という文化。
Ingressはそれをひっくり返したかったゲームだったんじゃないかっていうのがオレの見立てなんですけどね。
強さはレベルと相関しているわけではない、A8とA16の攻撃力にほぼ差はない、とか。
ほぼ課金ナシ、とか。
ガチャ=ポータルハックにして、その重要性を無効化した、とか。
ガチャゲーでもなく、課金ゲーでもなく、RPGでもない。
Nianticがそういうゲームを作ろうとしてたのがIngressという、めちゃくちゃヘンなゲームだったんじゃないかと思うわけです。
だから、お手軽簡単ソシャゲ勢とは相性がもともと悪いんじゃないかな、と。
(2020/12/29追記)
他の方の意見だとかアンケートだとかを目にするにあたり、どうやら複アカはレイドボス機能が実装された前後から目に付き出したというお話もあるようです。
オレは他のソシャゲのBlogだとかYoutubeで複アカやアカウント預かり(交換)がさも当然のように語られている点から、日本の他のソシャゲからの影響があったと思っていたのですが、どうも一概にそうともいい切れないところがあるようです。
つまり、「ソシャゲ層が最初から複アカやアカウント交換を容認する文化をポケGOに持ち込んだ」のではなく、途中から意識が変わっていったという話のようです。
誤った認識だったようですので、お詫び致します。
それにしても、不思議なのは、オレは日本人って「こうやればいいんだよ」と唆されなければ基本的にルールを遵守する気質があると思っていて。
だとしたら、誰かが「チートを容認する文化」を持ち込まないとこういう発想は産まれない気がするんですよね。
この点は依然として腑に落ちてないので、要熟考点となります。
Niantic Wayfarerというのは、本来ならばめちゃくちゃあり得ない機能です。
「碁盤の外に碁石を置く」という喩えがあったりしますが、当然、碁盤の外に碁石を置かれたら、碁はゲームとして成立しません。
しかし、Wayfarerは「碁盤を自由にデザインしていいよ」という機能です。
しかし、これには「ただし」がつきます。
Nianticが定めた基準を満たせばデザインができる。
逆にそういう制約の下でしか運用ができない、ゲームを破壊しかねない危険なシロモノです。
だからNianticはこの基準のコンセプトを「興味」としました。
Interestを幹にして、「役に立つ」や「有用性」、「交流の場」を枝葉にして展開しています。
歴史的遺構、奇抜なデザインの建造物、ウォールアート、彫像。
これらが「興味」ですね。
駅、郵便局、公園、公民館。
これらが「有用」。
今でこそWaypointの基準はNianticによって明記され、Wayfarerで多くの人によって審査されていますが、遥か昔は明記なんかされないままNianticが審査していました。
そこで申請する側は手探りで「何がアタリなのか」を見極める必要がありました。
それは「Nianticは何を狙ってWaypointを申請させようとしているのか」を見極めること、Nianticの思考を読む作業以外の何物でもありませんでした。
更にはガチャゲーでもなく、課金ゲーでもなく、RPGでもないヘンなゲームを作ったNianticに対する興味。
この2つが相まってNianticの発言、動向には常に注意を払っていた記憶があります。
Nianticのスタッフがインタビューに答える記事があれば速攻シェアして他の人に知らせる。
そうやってNianticの思惑を知る。
そうこうしているうちに、エージェントはNianticのファンになっていた。
「IngressのエージェントはNianticのファンが多い」
話が長くなりましたが、昨日の話でオレが回答した言葉です。
「ポケモンGOのトレーナーで、Nianticのファンであることを標榜している人を見たことがないかも」と会話していた方は仰っていました。
「Nianticはゲーム開発・運営企業ではない」
オレが常々言っている言葉です。
じゃぁ、何の会社なのかっていうと「ARの基盤となる技術やシステムを開発する会社」だとオレは思っています。
ポケモンGOのAR撮影でポケモンが椅子の後ろに回り込んだりする挙動や演出を開発したり、Waypointのデータを利用して他のゲームやAR世界に展開しようとしたり、現実世界の中でARを活かした劇場型コンテンツを作る企業と提携したり。
その守備範囲は決してゲームだけに留まらず、ARと現実世界を繋げるエンターテインメント全体に及ぶ可能性を秘めています。
その地平を切り拓こうとしている企業だと思うのですね。
だからこそ、Nianticのファンとしてその動向に注目し続けている。
そんなエージェントも居たりします(オレがその最もたる例ですね)。
Nianticのファンだからこそ、Nianticの良き理解者であろうとするからこそ、規定を遵守する。
チートはやらないし、居たら通報する。
迷惑行為でNianticに非難が集まらないように配慮する。
ゲーム上のアドバンテージよりも、Niantic社が継続して運営できる事の方が大事。
そういうエージェントの文化が醸成されたのではないかと思ったわけです。
もちろん、エージェントにもチートをする連中はいるし、迷惑行為だったとしてもゲーム上のアドバンテージを優先する人もいるでしょう。
トレーナーの中にもNianticのルールを遵守しようとする人もいるでしょう。
溝はエージェントとトレーナーの間にあるのではなく、ゲームの中しか見てない人とゲームの外にも目を向けている人の間にあるのではないかなと思うわけです。
Nianticの社是は"ADVENTURES ON FOOT"。
CEOのジョン・ハンケ氏は家でゲームばっかしている子供に外に出てほしくてIngressというリアルワールドゲームを開発したらしいです。
ゲームの世界に没入することも素晴らしい体験ではあるけど、リアルの中にも素晴らしい体験が待っている。
そのクロスオーバーこそがNianticが目指すARの地平だと思っています。
ゲームの中のアドバンテージにばっか気を取られて、リアルの素晴らしい体験を見逃すことのないように。
Waypointもゲーム上のアドバンテージばっか考えてないで、訪れてスマホから目線を上げた人が「おお、これはすごいな」と思えるようなものを申請して頂けると、よりNianticのコンセプトに近い世界を楽しめるのではないかと思います。