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含紅雲母ペグマタイト岩脈 - かじぃのポータル再訪紀8 長垂公園

長垂公園

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お久しぶりです。
ちょっと間が空いてしまいましたが、ネタ切れとかそういう事ではありません。
割とバタバタしてたり、梅雨が長引いてたり、やる気がゼロだったりしただけです。
ちゃんと続けますってば。
どんくらいの人が楽しみにしてるかわからんけども。

先日の話です。
某、広島のResAG、sinXsanとTelegramでチャットしていました。
例によって例のように、POI申請をしに出かけてて、その道すがら、エモいものを報告してくれるんですよね。かなりマメに。
で、sinXsanが見つけたPOI候補の中に「生物でも植物でもない化石」というちょっと珍しいものがあったんですね。

なんと、川底の化石。
「それは地層と呼ぶのでは?」という話もあるんですけども、これが市認定の天然記念物になっている。
面白い。むちゃくちゃ面白い。
田んぼや野原が広がる中、ぽつんと川底が露出している。
周囲に川なんかないんですよ。
はるか昔に川が流れてた跡が巨大な岩盤に刻み込まれている。
そういう地層学的なエモさ。

ここまで「ポータル再訪紀」では歴史にまつわるなんやかやを紹介してきました。
歴史ばっかじゃん。
うん、反省している。
実はオレが興味を示すのは歴史ばっかじゃないのよ。
これでも高校の頃は「天文」「気象」「化石」「鉱物」「地層」の地球科学にフォーカスした地学部に所属していたわけで。
実はその辺も好物だったりするわけなのよ。

で、このsinXsanとの会話によって思い出したわけですよ。
福岡にもなんかそんな珍しいヤツなかったっけ?
思い出したのは「紅雲母」。
正式名称は「リチア雲母」。
これが福岡で採れる。
そんで確か天然記念物指定されていたハズ。

Wikipedia Linkは以下。

名前からも推測できるように、リチウムが多く含まれる雲母なんですね。
リチウムは今でこそ「リチウム電池」等の用途でものすごく貴重な元素なんですけども、第二次世界大戦前は主に陶器やガラスの融点を下げる添加品として利用されたり、第二次世界大戦中は航空機の耐熱グリス等で使われていたようです。
その後冷戦下で水素爆弾製造の為に利用されることになるのですが、今回のこの長垂含紅雲母ペグマタイト岩脈は戦時中に採掘をほぼ終えてしまったらしく、核の話はあまり関係ないようです。

さて、この長垂という地名、現在は福岡市今宿青木という地名に変わっており、高校の頃に聞いた「長…なんとか」という朧げな記憶も相まって、まったくどこらへんにあるのかさっぱり分からない状況から話が始まります。
困った時のGoogle先生。
「紅雲母」「福岡」で聞いてみると「長垂」という地名が出てきました。
「長垂?西区?そんな地名どこにあるんだよ」と思って地図を開くとあらまぁびっくり。
めちゃくちゃ渋滞かますあの海岸線沿いのエリアじゃないっすかー。

でもまぁ、思い立ったが吉日。
先延ばしにしたら、絶対しばらく行かないことになる。
そう思ってバイクにまたがって、いざ福岡市西区へ。
そしてハマる三連休お盆前哨戦渋滞(;´Д`)

長垂公園。
POIは生えてんだろうなぁ。
まぁ、POIが生えててもペグマタイト岩脈を拝めればそれはそれで満足しそうだし。
そんな感じでバイクを走らせると、あったよ長垂公園。
地味!!!!!!
地味過ぎて、一回前を素通りしちゃったよ!
道が狭い上に片方海岸線、片方山際でUターンできる場所ねぇよwww
1kmほど行き過ぎてUターン。
そしてようやく到着。

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博多湾!
海だーっ!

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長垂公園。

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含紅雲母ペグマタイト岩脈!
国指定天然記念物!
採掘も採取も駄目よ!!

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長垂公園でPOI生えてました。やっぱりね( ´ー`)y-~~
そして、国指定天然記念物の案内板!!
見ての通り向かって左奥、バイクの前にある案内板がそれ。
うん、近すぎリジェクト案件だねorz
更に左には「名もなき鳥居」なんてものがあったりして、左右に挟まれてリジェクト案件やん。
なんでやねん。
名もなき鳥居より、長垂公園の銘板より、国指定天然記念物の案内板の方が価値あるやろwww
心の中で叫ぶも、かなりどうしようもない状況。
もう、泣き寝入りするしかないわよ!!(オネェ

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そして、長垂公園に足を踏み入れると…。
案内板には展望台や観音様があるようですけど…。

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…これは砂場?
荒れ果ててるやん…。

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奥へと進んでいくと、猛禽類のトンビだかが食事してたよ。
バッサバッサと飛び去っていったよ。
ワイルド。
なんか立入禁止区域とかあるし。

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歩道の横に転がっている石をふと見る。
かち割った跡がある石。
あー。誰だよ。採掘しようとしたやつ…。
岩の断面を見ると、これはローズクォーツですね。紅石英。

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割と混じり気がないキレイな石英のような気がしますね。
かち割れないから確認できないけど。

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歩道の脇の崖に埋もれている岩を見てみると…。
おお?!結構キレイに岩脈が見て取れるじゃん?!

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うん、紅石英と雲母がキレイに線上に並んでる。

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ペグマタイト!!ペグマタイト!!
しかも、日本では珍しいリチウムペグマタイトだ!!

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結構その辺に転がっている大きめの石にも石英と雲母が見て取れます。

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この長垂リチウムペグマタイト岩脈は、案内板にもあったように戦時中まで陸軍が採掘していたようです。
目的は耐熱グリスだと思いますけど。
その陸軍が採掘していた鉱床の上に観音様が祀られていると、古びた長垂公園の案内地図には書かれていました。
ならば!観音様に!是非会いに!行かねばなるまい!!
うわー、結構急ですねー(棒
なんか年始に行った呉の工廠神社を彷彿とさせますねー。
ひとりだから階段落ち写真は撮れませんけどね!!

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展望台も草や枝が伸び放題で視界が狭い(苦笑
でもまぁ、博多湾を見れて気分は良かった。

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さぁ、ついたぞ!
救世観世音菩薩坐像だ!
でかいな。台座合わせて全高3mといったところか。
なかなか立派な仏像様です。
割と現代風の意匠で、石も摩耗してないので新しい気がしますね。
ご尊顔はやや台形の角張った顔。
なんかなしに花田虎上(第66代横綱若乃花)さんに似てますね。
宝冠は菊の花に蓮の花があわさったような意匠。
大きく高く天を衝いています。
結印は施無畏印でしょうか。
右の掌に宝珠、左の掌に鉢を持ってます。
うん、いま風ではありますが、良い仏像だと思います!


さぁ、PortalをHackしてキーを記念に持ち帰らねば!!
Ingress Scanner起動!!
……。
…………。
Portalがない!!
なんでやwww
こんなに立派な仏像なのになんでやwww

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発願はすぐ近くにあるお寺、明光寺のご住職だったようですね。
石匠は藤村三郎。ググってみましたがヒットしませんでした。

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救世観世音菩薩坐像の右後ろには三基の宝塔と二体の地蔵菩薩、一基の石灯籠に救世観世音菩薩の由来を刻んだ石碑がありました。

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宝塔には延宝5年と刻んであります。
西暦でいうと1677年。
風化の度合いから言っても、この宝塔と観音菩薩様は同じ年代とは思えません。
1677年と言えば江戸時代ですかね。
この頃からこの山が信仰されていた事になるのでしょうか。
確かに陶器やガラスの添加物となる珍しい石がある山なので信仰の対象になり得るかもしれません。
その後、今風のご尊顔の救世観世音菩薩坐像が建て直されたという感じでしょうか。
個人的には陸軍のリチウム採掘権とバーターで建て替えの費用を出させた、なぁんていう裏があったのではないかと想像します。
意匠的には大正から昭和初期のもののような気がしますし。

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救世観世音菩薩の由来が記されています。
こちらも比較的新しく、像と同じ時期に建てられたのではないかと推測できます。
さて、ポータル申請も終わったので山を下ります。

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クロアゲハが10羽ほど舞っており、頭の周辺をふわふわと飛び回るのを振り払いながらの下山です。
山の上の方にはあまり大きな岩もなかったのがやや残念。

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光の当たり具合でわかりにくいんですけども、この真中あたりにも雲母がキラキラ光って見えました。

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あった!剥離雲母!!

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うーん。キラキラ感が再現できてないのが非常に残念。

というわけで、今回は「国指定天然記念物の含紅雲母ペグマタイト岩脈を見に行ったら、観音坐像をポータル申請していた」の巻でした。

歴史的遺物だけじゃなくって、鉱床もエモいよ。
ただ、POIになるかどうかは案内板次第ってところがあるので、注意は必要ですw

帰り道はこんな話や

こんな話もあるんですけども。

それはまぁ、枝葉の部分だし、長くなるので割愛。
気が向いたら記事にしますw

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