【歴史小説】ラブリンマン -真説 坂田金太郎- 19-シュタインと山の民-その②
何週間かが過ぎた。
その日の夕食も、
シュタインはまるで水でも飲むかのように勢いよく流し込んだ。
囲炉裏の火に照らされながら一心不乱に食べるシュタインを、
イーヴァは自分の箸を止めて興味深そうに見ていた。
「ほんとによく食べるな、おまえ」
「毎日色々なことを覚えて、体と頭を一緒に使っている。すごく腹が減るんだ。そりゃあ、若衆ほど働いているわけじゃないがね」
「でもよくやっているみたいじゃないか。狩りにもなんとかついてこれるようになってきたし、体術も上達している。女衆の仕事