【歴史小説】ラブリンマン -真説 坂田金太郎- 14-戦地に咲く花-(第1部最終話)
空はよく晴れていました。
真っ青な中に、
染みだしたように白い雲がぽつりぽつりと湧き、
時折吹く乾いたやわらかい風が、
その雲をゆるやかに横滑りさせていました。
草原の岩舞台に並んで腰かけていたのは、
綱と駕籠女。
駕籠女は前髪を短く切り揃え、
長い髪を後ろできっぱりと一つに束ね、
女ながらに地味な墨色の男用の着物と袴を身に着けていました。
対して、
綱は男としては珍しいほどの派手な朱色の着物姿で、
一升徳利に入ったどぶろくを直接あおっていました。
あおりながら、
自分が