Well of Saint Lucia, Caysasay, Philippines, サンタ・ルチアの泉、カイササイ、フィリピン
サンタ・ルチアの泉(Well of Saint Lucia)は、マニラの南東部に位置するバタンガス州のタール(Taal)という町のカイササイ(Caysasay)という場所にあり、カイササイ教会の近くにある古い井戸です。サンタ・ルチアの奇跡の泉(the Miraculous well of Saint Lucia)や聖なる場所(Banal na Pook)とも呼ばれるそうです。「水を汲みに来た二人の女性が泉の水面に映るカイササイの聖母像を見た」や「教会から消えたカイササイの聖母像が見つかった」といった17世紀頃にさかのぼるいくつかの言い伝えがあるようです。また、泉の水には癒しの効果があるとの言い伝えもあるそうです。井戸への案内は無く、わかりづらいですが、教会から徒歩5分ほどの場所にありますので、必ず見つけることができます。
井戸へのルートは、カイササイ教会の裏手の小さな階段を通り、一つ目の十字路で右に曲がり、まっすぐ進んだ突当りの右手から入るルートとサン・ロレンソ・ルイス階段の二つ目の踊り場から左側の民家の脇を通っていくルートの二つがあります。前者のルートから向かいます。コンクリート製の二つの欄干が目印です。通りから直ぐなのですが、南国の草木が茂り、密林の中といった雰囲気です。
二つの口がある水汲み場です。背後に高さ・幅とも4~5メートル程ある3層の石造りの構築物があり、上部は浮彫が施され、中段部はアーチがあります。遺跡のようですが、17世紀前半に造られたそうです。これ以外の構築物は見当たりません。
井戸にいた管理人らしき人が、2~3メートルほどの長さの竹竿の先にバケツをつけた器具で水を汲んでくれました。インターネットの情報になりますが、水質の安全性は確認されていないようです。
水汲み場の傍に、聖母マリア像が祀られたスペースがありました。両側に入り口があり、右側から入ります。
休憩や祈りの場のようです。像の周りにはお花が捧げられていました。
水汲み場方向を望みます。
中心の聖像のレリーフが有名なようです。
サン・ロレンソ・ルイス階段からのルートからの眺め。南国の日差しと鬱蒼とした緑の中で静かな存在感があります。
サン・ロレンソ・ルイス階段から井戸に向かうルートを戻りますが、振り返ると緑の中に消えています。
民家の脇を通り抜け、サン・ロレンソ・ルイス階段に出ます。黄色の壁の家と金色の井戸が目印です。
https://note.com/ph2017/n/n0ca5dc82f90a
タールの町にあるGalleria Taalというギャラリーに、階段を写した1920年頃の古い写真が飾られていましたが、よく見ると左側の中段辺りに白いアーチらしきものが写っていました。確証は持てませんが、興味深いです。
2021年2月訪問。