嘘つき大会(毎日note159日目)
つくづく、就職活動は嘘つき大会だと思う。
それに気づいたのは、社会人になってからだった。
*
「志望動機なんて『家から近いから』『福利厚生がいいから』ってだけなのに、『弊社のどこに惹かれましたか?』なんて聞いてくんなよ」
先日、こういった旨のポスト(ツイートじゃないんだな)がバズっていた。
「志望動機で優秀かなんて見抜けない」「本当のことを言うと落とされるので、心にも思ってないことを言わないといけないのだるすぎる」と言った肯定的な意見がある一方、「それはわかった上で、質問に対してどのような受け答えをするかの演技力を見ている」「社不(※社会不適合者のこと)を炙り出すための魔除だからちゃんと効果発揮してるわ」などといった否定的な意見など、様々な意見が飛び交っているのを見かけた。
かく言う私は、「志望動機なんてクソ喰らえ」と思っていたタイプだった。
だった、というか今でもそう思っている。
時はさかのぼること、私が新卒の就活をしていた頃の話。
第一志望業界の企業の一次選考に行った。
遅れないように遅れないように、と早めの行動をしていたら、気づいたら30分前に着いてしまった。
選考会場と同じフロアにあった休憩スペースで、集合時間までなんとか時間を潰した。
大学時代の友人も同じ企業を受けるべく、その時同じ選考に来ていた。
が、彼女は集合時間に10分程遅れてやって来た。
選考担当の社員から遅れた理由を問われ、「交通機関が遅れてしまいました」と彼女は答えていた。
理由も理由なので、そのまま彼女は選考を受けることを許可されていた。
その後、無事一次選考も終わり解散となった。
交通機関で帰るべく歩いていた私を見かけ、一緒に先行を受けた友人が「お疲れ~!」と一声掛けてくれた。
その後、友人は車に乗って去っていった。
「交通機関が遅れてしまいました」という理由で来ていた友人は、実は車で選考会場まで来ていたのだった。
結局その後、友人はその企業に内定をもらい入社。
私はその一次選考で見事祈られたのだった。
*
せめて私が一次選考だけでも通っていれば、彼女がそこに内定を貰わなければ、6年経ってもここまで根に持つことはなかったかもしれない。
実力不足で祈られただけなので、私の心がひねくれているからかもしれない。
それでも、未だに根に持っているこの出来事。
「就職活動は嘘つき大会だ」と思った出来事だった。
大学4年生の時の私はまだ幼かったので、正直に言いすぎていたと思う。
「弟が県外の大学に進学していて、お金がかかるので私は実家から通いたいです!」
なんて面接の時に言っていた記憶があるが、今考えると引っぱたきたいレベルの発言だ。
社会人にでもなれば、会社の力を借りてでも一人暮らしができるじゃないか。
アラサーになった私はびっくりだ。
ただ、未だに志望動機は嘘がつけないでいる。
おかげで転職活動も苦労した。
「コロナで仕事クビになって、お金稼がないとこの世の中認めてくれないから転職活動してるのに、なんでいちいち『御社のここが好きですぅ♡』みたいなこと考えなきゃならないの?」
今の仕事に就く前の転職活動では、ずっとこんなことを思っていた。
というか今でも思っている。
結局、日本の就職活動・転職活動は≒嘘つき大会なんだろうな。
(魔除貼っておきたい)
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