タイでコンサート三昧(ライブ回想録)-その5:メンポー、ピー・サドゥー
【Place5】2010年6月13日(2)メンポー・チョンティチャー&ピー・サドゥー@インパクト・チャレンジャー
カオディン(ドゥシット動物園)でのコンサートが終わったのが、夕方頃だっただろうか。その後は前日に続き、ムアントンタニーのインパクト・チャレンジャーへ向かった。
開催されている「タイランド・ツーリズム・フェスティバル」に出演する歌手は前日来た時に調べておいた(といっても、この頃はまだタイ文字が読めなかったので、案内してくれていたSさんに確認してもらったのだが)。
この日はメンポー・チョンティチャー(แมงปอ ชลธิชา)とピー・サドゥー(พี่ สะเดิด)という、この頃、非常に勢いがあった豪華な2組。短期間にこれだけのメンツに巡り合えたというのは、ラッキーと言う他ない。
ドゥシット動物園からインパクトまでは車でそれほど時間がかからないが、出発が遅かったせいか、到着した時には既にメンポーのステージは始まっていた。
ノッポンという小さなレーベルに在籍しながらも、ヒットを連発していたメンポー。2009年にGrammy Goldが制作したプムプアンのトリビュート・アルバムにも参加していた事からも、彼女の人気がうかがい知れるのではないだろうか。
彼女自身もこの頃、非常に充実していたのではないだろうか。それはステージを観ても伝わってきて、彼女の歌だけでなくダンサーも含めて、勢いがあり、誰が見ても楽しいものだった。
メンポーの曲はこのコンサートを観る前から好きで、「ナック・ロップ・ニラナーム(นักรบนิรนาม)」や「ター・ラック(ท้ารัก)」などはよく聴いていた。
タイのコンサートはただ観ているだけでも楽しめるが、やはり曲を知っているのと知っていないのとでは、どれだけ楽しめるかが全然違うのだと、この時実感した。
メンポーのコンサートは1時間ほどで終了。すぐにSさんとバックステージに行き、お決まりの2ショットを撮ってもらった。メンポーはとてもフレンドリーに対応してくれた。
そういえばこの時、メンポー・ファンのタイ人グループがいて、Sさんはその人たちとも顔見知りで紹介してもらったのだが、その中のひとりだったYさんとは今でも付き合いがある。
メンポーのコンサートの後、若干のインターバルを挟んで、いよいよピー・サドゥーの登場だ。
彼はお抱えのバンドと専属のダンサーを引き連れて登場。スタートからパワフルな演奏を繰り広げてくれた。
ピー・サドゥーのステージはほぼロックと言って良い。ド迫力のその演奏には、ルークトゥン・モーラムを「演歌」だと思っている人のイメージを、軽々と壊してくれるパワーがある。
ピー・サドゥーのバックバンドのクオリティーの高さにはビックリした。それだけでなく、バックダンサーも素晴らしく、これが無料で観る事が出来てしまうのかと、改めてタイでコンサートを楽しむ魅力に気が付かされた。
ピー・サドゥーのコンサートはこの後、何度か観る機会があったのだが、観るたびにどんどんガードが固くなっていった。2ショットを撮ってもらうのも大変だったし、スタッフが舞台の上から監視していて、動画を撮っている人を発見すると飛んで行って撮影をストップさせ、データを消させていた。写真は大丈夫だったような記憶があるが、もしかしたらそれもダメだったかもしれない。
そんな事を考えると、この頃はまだ全然ゆるかった。動画は撮っていなかったが、写真は全然文句言われることはなかったし、2ショットにも気軽に応じてくれていた。
コンサートが終わって、例のごとくすぐにSさんと一緒にバックステージに行ったのだが、なかなかピー・サドゥーは舞台から降りてこなかった。
何をしているのかと思ってステージを観たら、ステージの上でファンに捕まっていた。でも、最後にはしっかり写真を撮ってもらえた。
という訳で、僕の初めてのコンサート巡りは終了した。
この頃はまだ1年に1回の訪タイで、期間も3泊5日と短めだった。それでも、2日で5ヶ所のコンサートに連れて行ってもらえたのは、タイ音楽ファンとしては、この上ない幸運だったと言えるだろう。