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まず1冊
先日の文フリこと文学フリマでの戦利品をちまちまと読んでいます。
魔法使いの弟子はまだ途中だけど、ロビンが既にかわいいのよ。
カルシファーみたいな子もかわいくて好き。
さて今日は「ひびをおくる」の方。
いつものごとく脱線してたらすごく長くなりました。
ところで、感想って、昔はご本人様に直接ばしばし送るのが主流だった気がするけど、今ってSNSに載せてタグ付けてみんなにも作者さんにも届くようにするのが普通なのかな。
なんとなく照れがあるのと、読解力が無さすぎで申し訳なくなったので、こっちにそっと載せてみます。
ノンフィクション?
表紙からして既にスタイリッシュなこちらのご本。
お恥ずかしながら、今回で初めて「往復書簡」という言葉を知りました。
交換日記的な解釈で合ってるのでしょうか。
あともう一つ、このお話ってノンフィクションなのかなと実は一瞬混乱した。
”物語を綴る”ならフィクションってことよね?
”それぞれの生活を綴った手紙”の「生活」は実生活のことじゃないで合ってるのかな。違ったらどうしよう。
なにせ題材が恋愛。しかもハッピーじゃないほうに多分分類されるもの。
個人的にはアンハッピーとも言い切れないような、不思議な奇妙な心地よい空気感の終わり方で好きでした。
扉と写真
写真と掛け合いの小説っておもしろいなあと、大した知識もなく読み始めたのですが、写真の効果がすごかったです。
それぞれの章ごとに扉のページの色が違くて、それが章タイトルの写真の色味やタイトルのテーマとぴったり合っているんです。
そのぴったり具合がとても気持ちよく、またそのアイデアや演出自体もすごいなあと思いました。
この本の中でお気に入りの写真が3枚あって、ひとつは11ページの線路の写真。もうひとつは44,45のにページにわたる入道雲の写真です。
どちらもページいっぱいにどーん!と出てきます。
特に入道雲の写真は、まるで映画のエンドロールでも見ているかのような気持ちになってしまいました。
ほかにも、17ページの二叉路の写真と、25ページの路地の写真などは、異世界にでも繋がっているのかというような雰囲気があって、どちらも不思議な魅力がぎゅっ!!と詰まってました。
全体的に儚い感じの写真が多かったのですが、それがまたお話にもすごく合っていて、どうやったらこんなに挿絵みたいにぴったりな場面や場所を見つけてこれるのだろうと不思議でした。
頭と終わり
noteに感想を書こうと思って、何度か読み返したりしていたら気が付いた。
頭と終わりの文が一緒だ!!
すごくアハ体験的な(もうちょっとマシな言い方は無かったのか)発見にひとりで感動していました。
同じ文なのに、最初に読んだ時と最後に読んだ時で印象が変わるのがおもしろい。知らなかった人のことを一冊かけて知っていって、もう一度立ち返ったら全然違って見えたみたいな感覚。うまく言えない。
夜中に知らない駅で降りて探索するのは、小心者故まだやったことはないのだけど、ちょっと楽しそうと思ったり。
脱線①:テレビか何かで、「夜は感情的になりやすく、朝は理性的になりやすい」と聞いたことがあるが、言われてみると確かにと思うことが多いしよく見かける。
だから別れ話とかも夜にしないほうがいいらしい。朝からするのもちょっとやだろうけど。
写真のところでも書いたけど、もしかしたら主人公は本当にこのとき不思議なところに迷い込んでいたのかななんて。
不思議なおじいさんもいたことだし。
そして、彼女の気持ちをあれこれ想像しながら読んでたけれど、彼女は最初から彼にゆだねる気なんてなかったんじゃなかろうか。
もし彼が違う行動を起こしていたら、椅子を捨てる前にでも踏みとどまったりしたのだろうか。
脱線②:もぬけの殻といえば、思い出されるのは「食堂かたつむり」。インド人の彼氏にすべて持っていかれ、残ったものはぬか床のみ。
現実でそんなことが起こったらなんて考えたくもないけれど、それでも進んで行ける人はすごい。
そんなこんなで、ある意味写真集でもあり、小説でもありな往復書簡は、二度ならず三度もおいしい本でした。
素敵な1冊をありがとうございました!