いくみ奥様ストーリー①
「ああ~、終わった」
俺、笠原真守はビジネスホテルのベッドに横になり、出張の疲れを吐き出した。
テレビに映っている時刻は十九時。
ベッドから起き上がり、冷蔵庫に入っていた水を飲む。そのついでに会社用バックから手帳を取り出し、明日の予定を確認する。
明日は八時にフロントへ集合。午前中の客先周りを終えれば、今回の出張が終わる。
「さて、通知は――」
俺は私用のスマホに通知が無いか確認する。
妻から通知があった。
「うわっ、お土産買わなきゃいけないのか……」
通知には仕事をねぎらう言葉と共に『十万石まんじゅう買ってきてね』と書いてあった。