もしも「正しい人」と「楽しい人」が「伝え方」について議論したら
正木さん:正しげな人
喜田さん:楽しげな人
正木:いやぁ、ダメっすわ。
音羽:おぉソーメン屋の主人、どうしたんすか?
正木:ラーメン屋です。
音羽:あぁ1つ低く言っちゃった。
正木:えっ?あっ・・・音楽のソとラか。
音羽:で、どうしたんですか?
正木:うちの店の前ですよ。
音羽:いつオープンしたんでしたっけ?
正木:先月です。
音羽:いつ閉店するんでしたっけ?
正木:しないですよ!
音羽:冗談ですよ。で、なんの話でしたっけ?
正木:うちの店の前の話です。
正木:ただの歩道じゃないですか。
正木:いやいや、ガードレールのとこですよ。
音羽:あぁ、ちょっと広めのスペースありますね。
正木:そこ、いつも違法駐輪されちゃうんです。
音羽:いまもめっちゃ置かれてますね。
正木:困るんですよ、店の印象悪くなるし。
音羽:自転車屋さんと間違えられちゃいますもんね。
正木:・・・たぶん間違えないですけどね。
音羽:まぁでも閉店するから別にいいじゃ・・・
正木:しません!
音羽:つっこみ速くなりましたね。
正木:ホントに困ってるんですよ。
音羽:なんか対策すればいいのに。
正木:やりましたよ、ほらこういうボードを・・・
正木:バンと壁に大きく貼ったんです。
音羽:おぉ!
正木:目立つでしょ。
音羽:めちゃめちゃ効果なさそう。
正木:・・・
音羽:これ貼って自転車減りました?
正木:・・・いや、ダメでした。
音羽:ぼくならこう書きますね。
音羽:実際これで放置自転車が減った地域もあるんですって。
正木:ホントですか?
音羽:信じるか信じないかはあなた次第。
正木:でも「自転車捨て場」って回りくどい気がします。
音羽:いや自転車とめる人の気持ちをうまくついてるでしょ。
正木:「駐輪禁止」のほうが正しいんだけどなぁ。
音羽:正木さんはサボりぐせがありますね。
正木:ん?どういうことですか?
音羽:正しいことを、正しいまま伝えるのはサボりですよ。
正木:はっ?
音羽:正木さんは正しさに頼りすぎてるんです。
正木:?
音羽:正しいことを伝えた気になって満足してるんです。
正木:・・・
音羽:自分で伝えたと思っても相手に伝わってないですから。
正木:ぐっ・・・
音羽:興味を持ってもらう努力が足りないんですよ。
正木:・・・
音羽:もっとユーモアやサービス精神を持たないと。
正木:・・・
音羽:どう伝えたら相手が興味もってくれるか想像しないと。
正木:・・・
音羽:正しいことって無視されやすいし嫌われやすいから、そこまで想像して伝えないと。
正木:・・・
音羽:正しいことを正しいまま話していいのは、すごい人望がある人だけですからね。
正木:・・・なるほど、言いたいことはわかりました。
音羽:でしょ。
正木:でも・・・
音羽:でも?
正木:いま、音羽さん・・・
音羽:なんですか?
正木:正しいことを正しいまま話してましたよね?
音羽:えっ?
正木:自分の正しさふりかざしてめっちゃ気持ちよく語ってましたよね?
音羽:えっ、あっ・・・ぜーんぜんそんなことないですよ。
正木:ユーモアゼロの正論暴走野郎になってましたよね?
音羽:すいませーん、ママチャリ1つくださーい、ペダル抜きサドル増し増しで。
正木:もう遅いです!あとここラーメン屋です、ってかなんかいろいろ混ざってます!
音羽:で、いつ閉店す・・・
正木:しつこい!
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