もしも「大人は一生変われない」と気づかされたら
源田さん:入社8年目の先輩(ゲンゴロウと呼ばれている)
丸井くん:入社1年目の後輩
源田:オレも新人時代はさ、いろいろグチってたんだ。
丸井:何をすか?
源田:その前に1つ聞いていい。
丸井:?
源田:オマエいま、仕事に不満ある?
丸井:ありまくりですよ。
源田:例えば?
丸井:給料安い、会社の出勤制度がダルい、先輩がウザい。
源田:オレも新人の頃、似たようなことを同期にグチってたよ。
丸井:ダメ社員ですね。
源田:・・・オマエ自分を棚に上げすぎ。
丸井:ぼくのことはいったん置いといただけです。
源田:それが「自分を棚に上げる」だ。
丸井:でもグチってたなら人のこと言えないじゃないすか。
源田:オレはグチりつつも先輩に合わせて残業してたよ。
丸井:グチってるなら同じすよ。
源田:まぁたしかに、大きくは同じだな。
丸井:いっしょにしないでください!
源田:どうしたいのオマエ・・・。
丸井:じゃあぼくらがいっしょだとして、何が言いたいんすか?
源田:つまりな、
丸井:・・・
源田:グチる新人は、先輩になってもグチりつづけるんだよ。
丸井:えっ
源田:年をとろうが立場が変わろうが関係ないんだ。
丸井:・・・
源田:オレは新人時代に先輩のことをグチってたし、今は後輩のことをグチってる。
丸井:・・・それってつまり・・・
源田:?
丸井:グチる新人は先輩になってもグチりつづけるってことですか?
源田:それさっきオレが言ったけどな。
丸井:ぼくもゲンゴロウさんみたいなグチグチしい先輩になっちゃうのか・・・
源田:「グチグチしい」ってなんだよ、ムカつくな。
丸井:だってイヤですもん。
源田:どうすればいいか、オマエにわかるか?
丸井:どうすればいいんすか?
源田:オレもわからん。
丸井:こんな先輩といっしょになりたくない!
源田:オレの同期に泰輔(たいすけ)っているだろ。
丸井:あぁ、泰輔さん、めっちゃいい人ですよね。
源田:あいつは新人の頃からグチは言わなかった。
丸井:たしかに言わなそー。
源田:もちろん今も言わない。そして同期の出世頭だ。
丸井:そしてゲンゴロウさんは窓際頭。
源田:つぎバカにしたらパンチだから。
丸井:そうなると・・・
源田:?
丸井:ゲンコツロウですね。
(ポコッ)
丸井:・・・こんなパワハラする先輩になりたくない!
源田:丸井、残念ながらこれがオマエの数年後の姿だ。
丸井:自分で言ってて悲しくないんすか!
源田:いまのオマエは「タイパが悪い」とか言って残業を拒否ったり先輩の指示に従わずパンチされたりしてるが、数年後のオマエはきっと態度の悪い後輩にパンチしてる。
丸井:態度の悪い後輩にパンチ・・・
源田:略してタイパ。オマエはずっとタイパなんだ。
丸井:・・・もう意味がわからなすぎます。
泰輔:おーい、源田と丸井、ちょうどいいとこにいた。
丸井:あっ、泰輔先輩、おつかれさまです!
源田;泰輔への態度とオレへの態度が違いすぎ。
泰輔:2人ともこのあと時間空いてない?
丸井:空いてます、スッカスカです!
源田:だからオマエ残業して資料作れって・・・
泰輔:オレ今週日曜が誕生日なんだけどさ、
丸井:おめでとうございます!
泰輔:うちの部のみんながこれから誕生日パーティーしてくれるらしくて、よかったら2人もどうかなぁって。
丸井:あっ!
源田:あっ!
泰輔:えっ?なになに?
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