君たちはどうイキるか
イキる。
これは「粋(いき)がる」が語源といわれています。
○粋がる
自ら粋(いき)だと思って誇る。
強がる。
虚勢を張る。
(参考:『広辞苑第七版』)
生きていると必ずイキる瞬間があります。
この世にイキったことのない大人などおそらくいません。
「イキる」には、いくつかパターンがあると思います。
1組織でイキる
「○○大学出身だ」
「大手企業で働いてる」
など、所属する(した)組織を誇るタイプ。
2経験でイキる
「〇〇をやったことある」
「全国大会に出たことある」
など、過去の経験や実績を誇るタイプ。
「昔こんな悪いことした」
「こんなに大変だった」
みたいなヤンチャ自慢、苦労自慢もここに入るかもしれません。
3人脈でイキる
「○○は自分の友達」
「親戚が社長」
「○○とコネがある」
など、人とのつながりを誇るタイプ。
「友達が甲子園に出た」みたいな他者自慢もここに入ります。
4財産でイキる
「総資産○○円」
「土地を持ってる」
「FIREした(もう働かずに生きていける)」
など、お金的なものを誇るタイプ。
5境遇でイキる
「親の仕事で海外にいた」
「ガラの悪い地域に住んでた」
など、自分の置かれ(てい)た環境を誇るタイプ。
場合によっては不幸自慢や不健康自慢もここに入ります。
6能力でイキる
「○○が得意」
「そんな作業、私なら1時間でできる」
など、才能や特技を誇るタイプ。
「事務処理マジ苦手なんだよね」
と言いつつ、
「でもクリエティブなことは得意」
と匂わせるのもここに入ります。
7異端でイキる
「鬼滅の刃?観たことないんだよねぇ」
「まだガラケーなんだよねぇ」
「大谷くんは苦手なんだよねぇ」
など、異端者である自分を誇るタイプ。
例えば「鬼滅の刃」を観たことがない人は一定数いると思うのですが、「観たことない」という事実を人に伝える時、その言い方に
「普通の人とは違う私」
というイキり汁が漏れることがあります。
8論破でイキる
「〇〇は△△だからキミの言ってることは矛盾してるよね」
など、相手の意見を論破してドヤ顔するタイプ。
9イキり返す
例えばテストの日に
A:オレ昨日ほとんど寝てないよ。
B:徹夜したの?
A:2時間しか寝てない。
という会話になった時、寝てないアピールをしたAが望むのは
B:うわぁそれつらいね!
みたいな反応です。
しかし、イキリ返すタイプはわざと相手の期待する反応をせずに
B:なんだ、オレもそんくらいしか寝てないよ。笑
みたいな反応をします。
ここまで9パターンのイキり方を紹介してきましたが、微妙にかぶっている項目もあったり、それぞれがグラデーションになっていたりするので、 1〜9にハッキリ分けられるわけではありません。
そもそもイキり方のパターンはもっとあるはずですが、深掘りすると性格がさらに悪くなっていきそうなのでもうやめますね。
まるで他人事のようにパターン化したところで、
では、
私はどうイキるのか。
自分の人生を思い返してみると、人によく話すネタがいくつかあります。
その中でも「なんかイキってしゃべってたなぁ」というのを挙げると下記があります。
・「終電で帰れたらラッキー」と思えるブラック企業に4年いた
・ベトナムを陸路で縦断した
・まだガラケー(2022年まで)
・コーヒー飲んでもすぐ寝れる
・チョコ食べるとくしゃみ出る
これをさっきの9パターンに当てはめてみると、
・ブラック企業に4年いた→2(苦労自慢)
・ベトナムを陸路で縦断した→2(苦労自慢)
・まだガラケー→7(異端)
・コーヒー飲んでもすぐ寝れる→7(異端?)
・チョコ食べるとくしゃみ出る→7(異端?)
コーヒーとかチョコとかマジでどうでもいいのですが、自分のイキリ方に傾向がみえてくるんですよね。
私の場合、能力、人脈、財産などがない分、だれでも手に入れられる苦労話や異端話を重宝していたわけです。
苦労や異端に目を向けないとこれまでの自分を否定することになり、これまでの自分を否定することは自分の人生を否定することぐはっ・・・つらいのでもうやめますね。
つまり何が言いたいかというと、
生き方はイキり方に現れる
っぽいということ。
生きる上で大切にしているものが、イキる時にプシュッと漏れ出るのかも、と思うのです。
それを踏まえた上で、
最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。
君たちはどうイキるか。
(これが言いたいだけ)
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