わんちゃんも楽しい"歯磨き"の練習方法について学ぼう-第5回セミナーまとめ【前編】-

みなさんこんにちは!PETWELLclinic広報担当です。

今回は7月19日にウェビナー形式で行われた第5回無料セミナー『わんちゃんも楽しい” 歯磨き” の練習方法について学ぼう』のサマリーをご報告します。講師は人と動物の関係学を専門にされている鹿野正顕先生です。

当日オンライン配信された映像を一部編集し、前後編に分けてアップしています。まずは前編です【約22分】。

【チャプターリスト】
00:00〜 鹿野正顕先生 自己紹介
03:18〜 犬が歯磨きを嫌がる原因について
08:45〜 歯磨きができるようになるためには
13:18〜 日頃から保定に慣らす練習をする


【サマリー】
歯周病は、口の中に限らずいろいろな病気を併発する原因となり、また犬-人間の感染もあるとされているため、その予防として日頃から歯磨きをすることはとても大事。今回は自宅での歯磨きの練習方法についてポイントを絞って紹介する。

人と犬の関係において「上下関係は存在しない」というのが近年の有力な説であり、犬が歯磨きを嫌がるのも、わがままだったり、飼い主を下に見るということが原因なのではない。歯磨きを嫌がるのは、主に「無理やり歯磨きをされた」など過去に嫌な経験をしていることが原因である。また犬は「歯磨きをしなければならないということが理解できない」というのも、もうひとつの理由。歯ブラシのような異物が口に入ることは危険なことと察知し、本能的に回避しようとしている。なので前述のように「わがまま」などを嫌がる原因と誤解して、力ずくで歯磨きを行うと、余計に嫌がるようになってしまう。少しづつ歯磨きを「楽しい経験」に結びつけていくことが大事になる。

では実際、どういうことに慣らしていけばいいのか。犬は、環境が変わることで普段はできることができなくなることがある。これは場所とか人への慣れが影響している。病院やトリミングサロンで歯磨きを受ける機会が増えていると思うが、そこで歯磨きをこなすためには、まずは場所慣れと人への慣れが大事。

今回は「自宅で飼い主が歯磨きを行う」というところに焦点を合わせてポイントを紹介。それは大きく2つあり、ひとつは「保定」への慣れ。もうひとつは「歯磨きをする」ために口元を触られたり、ものを口に入れられることへの慣れ。

まずは「保定」への慣れについて。「保定」とは体を触ったり拘束することであり、これに慣れるには仔犬の頃からホールディング(仰向け抱っこ)の練習をすることが大切。社会化期(生後〜12週齢)と呼ばれる時期は、触れられることなどにスムーズに慣れてくれる。

ホールディングの時間の目安としては1時間。1時間じっとしていられるとトリミングなどもストレスなく受けられる。実は20分ぐらいじっとすることができるようになると、その後心地よく寝てしまうが多い。なぜなら哺乳動物には、体を軽く締め付けられると気持ちが落ち着くという習性があるため。大好きな飼い主に抱っこされぬくもりを感じるとオキシトシンが分泌され、慣れている犬だとすぐに寝てしまうことがある。

ホールディングのポイントは4つある。

1つ目は「手を持たないこと」。手を引っ張ってしまうと抜けてしまうリスクがあるため。胸の骨の硬いところをしっかり押さえてあげるのがコツ。

2つ目は「飼い主の脇を締めて体に密着させること」。首からしっぽの付根が飼い主の体に密着するよう心がける。

3つ目は「暴れても離さないこと」。離してしまうと「暴れると離してもらえる」と学習してしまう。もし暴れたら強めに抱き寄せ、落ち着いてから解放する。それでも無理なら練習を一旦終了する。

4つ目は「少しづつ時間を伸ばすこと」。先述の通り、仔犬の場合はいきなり20〜30分でできる場合もあるが、成犬は慣れるのに時間がかかる。1分や5分など、少しづつ時間を伸ばして練習する。

体勢については「伸ばしすぎず立ちすぎず」が肝心。伸びすぎると背中が苦しく、立ちすぎると腰に負担がかかりホールディングを嫌がりやすい。緩やかに弓なりで曲がっている姿勢がベストで、リラックス状態を保てる。

保定されることに慣らし、さらにはご褒美をあげながら、保定されることが楽しいこととなるように練習していく。

【後編】はこちら↓
https://note.com/petwell_clinic/n/nb6b822537cd7

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