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「犬は反省する」「トイレの失敗は嫌がらせ」って本当? -第2回セミナーまとめ【後編】-
みなさんこんにちは!PETWELLclinic広報担当です。 先日公開いたしました『「犬は反省する」「トイレの失敗は嫌がらせ」って本当? -第2回セミナーまとめ【前編】-』の記事はご覧いただけましたでしょうか? 前回記事はこちら↓ https://note.com/petwell_clinic/n/n0c60173fc4fd 今回の記事では引き続き【後編】の内容まとめをお伝えします。トイレの失敗やトレーニングについての話題が中心となっています。お見逃しなく!【約24分】 【チャプターリスト】 00:00〜 トイレを失敗する理由 06:11〜 排泄行動の特徴 09:14〜 トイレを成功に導く環境を設定する 09:31〜 サークルの「中」の環境設定 13:19〜 サークルの「外」の環境設定 16:45〜 「失敗を予防する」ための対応 18:53〜 「失敗したとき」の対処 22:03〜 トイレのしつけで大切なこと 【サマリー】 トイレを失敗する4大理由。 ①しつけがうまくいってない →学習のし直しが必要。 ②自分の縄張りを主張するためのマーキング →掃除が完全ではなくニオイが残っている場所や、多頭飼いの場合、新しい家具を導入した場合などに起こりやすい。マーキングによる失敗は、去勢で50〜70%は改善することがわかっている。 ③トイレに対する嫌悪学習 →トレイが小さかったり、ガタガタしたりすると、そこでするのを嫌がって失敗する。また、一度失敗し、怒られたことによって恐怖心を感じ、その場所でやらなくなることもある。 ④分離不安 →お留守番中だけに失敗する場合はこの可能性が高い。不安を感じて緊張状態になり、別の場所でしてしまう。これを飼い主が、「嫌がらせ」だと受け取って叱ると、どんどん関係性が悪化し、より失敗してしまうようになる。 失敗理由を含め「寝床から離れた所で排泄する」「土など柔らかなところで排泄する」「ニオイの残ったところで排泄する」「排泄のタイミングには傾向がある」といった犬の特性を考えながら、トイレトレーニングをすすめていくことが大事になる。 まずはサークルの中の環境を設定してみる。ちなみにサークルとは、あくまでも子犬のときの行動制限のための柵であり、後々は取り払う前提で考える。犬は覆われた場所で寝るほうが安心するので、隙間のあるサークル(柵)をハウス(寝床)とするのではなく、箱状のものの中(クレートと呼ぶ)をハウスとするほうがいい。クレートの理想のサイズは、頭のてっぺんよりも天井が高く、鼻先から尻尾の付け根より幅が大きいもの。この条件を満たすクレートなら、自分から入るようになる。そしてクレートをハウスとするように習慣付くと、クレート内では排泄をしなくなり、そのすぐ外にトレイを置くと、勝手にそこでするようになる。 続いてサークル外の環境設定を考える。「サークル外に出ると失敗する」というケースがあるので、その場合は、まずは床の敷物をチェック。「絨毯」「カーペット」「畳」などを敷いていると、感触が柔らかいので、本能的にそこで排泄してしまう。なので「クッションフロア」に置き換えてみる。これなら適度な硬さがあるし、滑りにくいし、もし排泄してしまった場合でも掃除しやすい。 サークル外に犬を出す時には、トレイも一緒にサークル外に出すのがおすすめ。できることならもう1箇所トレイを置くことも考える。そして、できるだけ行動範囲を広げないことも大事。排泄を済ませてからサークルから出したり、飼い主が目を離すときは、サークル内に戻すなどの工夫も必要。また排泄には決まったタイミングがあるので、その時間を避けてサークル外に出す。 トイレトーレーニングチェックリストの活用もおすすめ。失敗だけでなく、成功率が上がっていることを飼い主が理解できる。 再びになるが、排泄の失敗は絶対に叱ってはいけない。飼い主への恐怖心が高まり、飼い主のいない場所で隠れて排泄するようになる。無言で何も騒ぎ立てず片付けることが重要。また一度ニオイがつくと、そこで繰り返ししてしまうので、ニオイを完全に消すことが大事。まずは界面活性剤が入っている食器用洗剤などでしっかり洗浄したあと、消臭スプレーなどをかける。 「成功をしたら褒める」をやっても、実はあまりうまくいかない。犬の行動の特性を把握して、その特性に沿った「環境設定」と「対応」をすることで、飼い主と犬の双方にとって望ましいトイレのしかたを学習させる。 犬がどういうふうに考えてるかを掘り下げて犬の行動をみる、ということ。しつけとは、犬の特性を理解しつつ、それが人間の生活の中でどう表現すれば問題にならないのかということを考えて、教えてあげること。これら2点が今回の講義でご理解いただきたかったポイントです。