地政学と真空管オーディオ
大仰なタイトルですみません。ミグ25が函館空港に飛来した「ペトレンコ中尉亡命事件」まで深堀りする意図はありません。
私は真空管アンプを使っていて、ここ数年に起こった変化を身近な視点から考えてみたいと思います。
21世紀の現在、真空管の用途というと大部分が電灯とギターアンプ、わずかな残りがオーディオアンプではないでしょうか。
その真空管の最大の供給源は中国、そしてロシア。
アメリカによる中国デカップリング戦略、そして特にロシアのウクライナ侵攻で、西側諸国への真空管の供給は近年どんどん細くなっています。
実際、2022年初頭を境にロシア製真空管の通販価格は2倍近くに急騰。
電気工学的にギリギリの回路設計で真空管を酷使するギターアンプの所有者たちは、頭を抱えたのでは?
オーディオ真空管アンプはその点で余裕をもたせた設計で(あくまで一般にですが)、真空管の耐久性については年単位で考えられるのですが、いざ交換となったときに、以前の数倍の出費ではさすがに痛い。
しかし「捨てる神あらば拾う神あり」とはよく言ったもので、スロヴァキアから良質で割と安価な真空管が供給されています。
JJ社は、かの天才発明家ニコラ・テスラの名を冠したテスロヴァク社の後継。
特に小さい真空管は中露製品より高品質で、この有事にも価格が割と安定しているので助かります。
地政学的な懸念は、スロヴァキアが密接な隣国ハンガリーと政治的主張を共有していて、EUから浮いていることでしょうか。
個人的には、左傾化しすぎたEUに反旗を翻すハンガリーのオルバン大統領に拍手喝采を送りたいのですが、アメリカ大統領選挙の帰趨によってはどうなるか分かりませんね・・・。
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