母校の高校のテレホンカード
私は日常的に現役の高校生とおしゃべりすることがあるんですが、そのたびに、〈もう一度高校生に戻ってみたいなあ〉と思ったりします。
自分にも覚えがあります。
進学とか就職とか友達関係とかで高校生なりの悩みがあったりするのだけれど、意外と本人はケロッとしている。昭和から令和にかけて生き永らえている自分にとっては、経験則に頼るのが一番リスクが少ないとか、そういうことはあるのだけれど、現役の高校生には、「経験則に頼らない強み」があったりする。
ケロッと感。
たとえば大失恋をしたとしても、その日の夜に、コンビニで買ってきた大好きなチョコレートミント・アイスクリームを頬張れば、もういいんじゃん、みたいな気持ちに。これって、不思議な強みです。
話は変わります。
なんとなしに、家にある整理棚の引き出しの中を覗いたら、4年前に他界した父親の、革製の小銭入れが出てきました。
小銭入れの中に、テレホンカードが挟んでありました。
これって、私の母校の高校のテレカじゃん。
「創立20周年」って記してある。1990年の11月2日。そうだ、在校中に創立20周年の記念式典があって、その時の粗品で、このテレカが配られたんだった。
卒業した後も使うことなく、どこかにしまってあったのを私が見つけて、もう何年か前だったか、父親にあげたんだった。結局父親も使うことなく、小銭入れにしまったまま、だったということ。
記念式典で、学校の沿革を綴ったビデオ映像を体育館で観た時、BGMに流れていた、キャロル・ベイヤー・セイガー&バート・バカラック作詞作曲の「That’s What Friends Are For」を聴いて感極まったのは、よく憶えてる。歌っていたのはディオンヌ・ワーウィック、スティーヴィー・ワンダー、グラディス・ナイト、エルトン・ジョン。とにかく心が揺さぶられた。卒業が間近い11月だったことも関係して…。
テレカ1枚でいろんな記憶がよみがえってきたけれど、つながってる気がする。途切れてない。
現役の高校生たちには、どうか自分達の“ケロッと感”の強みを大事にしてほしいと思う。
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