病気コラムvol.4《わんちゃん・ねこちゃんの誤食・誤飲》
わんちゃん、ねこちゃんの誤飲、誤食
わんちゃん、ねこちゃんの誤食、誤飲は、
ペット家族動物病院でもよく見られます。
仔犬、仔猫の時期は、特に好奇心が旺盛なので、
何でも口に入れてしまいます。
人間の赤ちゃんと同じですね。
時には重大な事故につながったり、
命を落とすような危険があったりするので、
注意が必要です。
中毒を起こすものについては、
「コラムvol.2」でお話ししてありますので、
今回は、誤食、誤飲をしたときはどうしたらいいのか、
誤食、誤飲が疑われるサインなどについて、
お話ししていきます。
誤食、誤飲をしてしまったら…
ちょっと目を離した隙に、
わんちゃん、ねこちゃんが食べてはいけないものを
口にしてしまったら…
ウンチで出てくるまで待っていても
大丈夫なのかなど、心配になりますよね?
まずは誤食、誤飲を見かけたら、
待たずにすぐに動物病院に相談してください。
「何を」「いつ」「どれくらい」
誤食、誤飲したのかがとても大切な情報に
なりますので、動物病院に連絡するときに
伝えられるようにしておきましょう!
どういう処置をするの…?
誤食、誤飲をしてから30分以内であれば、
お薬で、吐かせることで体外に出すことができます。
その子によっては、吐かないこともあります。
特にわんちゃんより、ねこちゃんでは
吐きにくいことが多いです。
食べたものによっては、
無理に吐かせることが危険なこともありますので、
動物病院で相談しましょう。
ご自身で吐かせようと体をむやみに動かしたり、
水や牛乳、食塩、オキシドールを飲ませたりする
行為は、命をより危険にさらす可能性が
ありますのでやめましょう。
レントゲン検査でお腹の中を確認できるの…?
病院で実施する誤食、誤飲に対する検査としては、
レントゲン検査、超音波検査、血液検査があります。
1 レントゲン検査
針やヘアピンなどの金属、ある程度の大きさがある骨、
石などを見つけるのに有効です。
ビニールや布類、ゴムやプラスチック製品は、
厚みがあるものであれば、
レントゲンに写ることもありますが、
写らないことも多いです。
また、場合によっては、
バリウム検査(消化管造影検査)を行うこともあります。
バリウム検査をすることで、
消化管の形状や運動状態や内容物の流れなどを
確認することができます。
例えば、異物が原因で腸管が塞がってしまった場合は、
バリウムの流れが滞る様子が確認されます。
2 超音波検査
胃や腸の中にある異物を検出することができます。
また、消化管の閉塞により消化液が貯留していることを確認するのに有用です。
3 血液検査
誤食、誤飲による嘔吐で、
脱水や電解質異常が起きていないか、
また、中毒により腎機能、肝機能は大丈夫か
など確認します。
誤食、誤飲しやすいもの確認しよう!
散歩中に食べてしまったタバコの吸い殻や、
中毒性のある植物、
お料理中や食卓から落としてしまった玉ねぎやブドウ、荷造り中に使用したビニールひもなど、実際に吐かせる処置をしました。
こちらの写真は、実際に催吐処置にて、
吐いた異物の写真です。
誤食、誤飲を見ていなかったら…?
次に、わんちゃん、ねこちゃんの
誤食、誤飲の瞬間を目にはしていない場合に、
どんな症状が出たら病院に相談するかの
目安をお話しします。
1 嘔吐
異物を吐き出してしまえば、嘔吐は止まります。
胃や小腸などに詰まってしまうと、
何回も吐きつづけることもあります。
2 食欲不振
吐き気がなくても、消化管に何かが詰まっていると、
日に日に元気食欲がなくなっていきます。
3 下痢
誤食したものの成分が吸収された場合、
下痢をすることがあります。
4 よだれ
おなかが痛い場合によだれが出ることがあります。
また苦いものや酸っぱいものなどを食べた時も
よだれが出ます。
5 元気がなくなり、ぐったりする
誤食、誤飲から時間がたつとこのような症状を出すこともあります。
中毒物質などの場合もこの症状が出ます。
お部屋に置いてあったはずのものがなくなっていたり、
いたずらした跡があったりする場合など、
実際には誤食、誤飲の場面を見かけていなくても、
このような症状が見られた場合は、ご相談ください。
小さなものであれば、
うんちから出てくることもあります。
48時間以内に便の中心部にくるまれて
出てくることもあります。
見ただけではわからないことも多いです。
そのため、毎回便をつぶして確認することも重要です。
モモの種がずっと胃の中に残っていて、
3年くらいたってから出てきたこともあります。
誤食、誤飲を防ぐためには、
人間側が注意して、口に入れそうなものを
近くに置いておかない、
扉や蓋のある所にしまうなど、
気を付けていきたいですね。