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刺繍図案の下書き方法
ご覧頂きありがとうございます。
オートクチュール刺繍のお店【 小さな手芸屋さん 】です。
このnoteでは、オートクチュール刺繍、リュネビル刺繍の魅力や、手芸の楽しさを、より多くの皆様にお伝え出来ればと思っております。
刺繍のテクニック以外に作品作りに必要な技術、それは「下書き」です。
良いやり方がわからなくて、オリジナルの作品作りやキットの作品ができないと感じている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
書籍やキットに下書きの説明があっても、簡潔すぎて細かい点がわからないこともしばしばです。
今日はその下書き方法を掘り下げてご紹介いたします。
下書き用の道具について知っておきたいこと
手芸屋さんに行くと、下書きするための道具が様々並んでいます。
何を選べばいいか、まずはそこから悩みどころです。
鉛筆やシャーペンタイプのもの、日光や水で落とせるマーカータイプ、転写シートのチャコピーなど、たくさんの種類があります。
オートクチュール刺繍の下書きにおすすめなのはシート状の「チャコピー」です。
オートクチュール刺繍でもっぱら使われるオーガンジーと印字の相性が良く、細かい図案でも描くことができ、下書きの完成度が高いです。
このチャコピーを使う場合は、生地を刺繍枠に張る前に図案を写して刺繍をします。
刺繍枠にオーガンジーを張ってから図案を写すこともありますが、そうすると刺繍枠に張った分だけ生地が伸びていることになるので、図案通りに写せても完成した時には若干小さく出来上がってしまいます。
正確に仕立てたい場合は、生地を枠に張る前に下書きをした方が無難です。
そして透ける生地の時は、下書きが生地の裏面側になるように写せば、完成したときに目立たなくなります。
図案転写シートの種類
⑴ チャコペーパーとチャコピー
下書き用の転写シートにはチャコピーのほか、いくつか種類があります。
元祖転写シートの「チャコペーパー」、水で落ちる高級タイプ、アイロンで図案が定着するタイプなどがあります。
色も様々で白・グレー・黄色・ピンク・水色などがあります。
また、「片面」と「両面」タイプがありますが、オートクチュール刺繍には「片面」、そして一番目立たない「白」が適しています。
「チャコピー」と「チャコペーパー」は、製造しているメーカーが違います。
チャコピーの方がしっかりとした線で写せることが多いので、生徒さんにはチャコピーを使うことをお勧めしています。
↓↓↓
どちらも同じペンで強めの筆圧で写し取りました。
チャコピーの方がよりしっかり写ってます。でも線が少し太くなってしまっています。
チャコペーパーは写り方が薄いですが、線幅が細く描けてます。
★ しっかり図案を写したければチャコピー
★ 繊細で込み入った図案ならチャコペーパー
⑵ カーボン紙
チャコピー以外のお勧めは文具の「カーボン紙」です。
厚みがあって毛羽立ちのあるような生地にはカーボン紙の方がしっかりと図案を写せます。
ただ、線がくっきりと残ってしまったり、カーボンが擦れて汚れてしまったりというデメリットもあるので、写すときの筆圧や刺繍の仕方を工夫することが必要です。
びっしりと刺繍で埋めるような下書きがチラ見えしないデザインであればカーボン紙はオススメ。
(100円ショップなどでも手に入りますが、メーカーによって差があるようです。何種類か試してから使うと良いかもしれません。)
何を使って図案を写すかは、使う生地との相性、刺繍のデザインと相談して一番合うものをチョイスしましょう。
図案の写し方 ☆実践してみよう☆
チャコピーを使った刺繍の下書き方法です。
準備するものは、図案、生地、チャコピー、トレーサー(インクの出なくなったボールペン等も可)、ペーパーウェイト(重し)、カッターボードです。
※ 必ず広くて水平な場所で作業してください。
1、まずはカッターボードの上に、チャコピーのインク面を上にして置きます。
カッターボードの端とチャコピーの端が水平になるようにしてください。
2、その上に生地と図案を置いて、四隅はしっかりと重しで固定します。(書道用の大きな文鎮も重宝します)
生地を無理やり引っ張って固定してしまうと図案がゆがんで出来上がるので、優しく平らに据えてあげましょう。
★ポイント★
生地は先に地の目を通しておきます。
カッターボードの端を目安に、生地と図案の縦横を揃えると下絵が斜めになったりしません。
*「地の目」を通すとは、、、生地の端の繊維をほぐしとって、生地の端から端まで繊維が一本ずつまっすぐに通るようにすることです。
3、図案の線の上を、トレーサーを使って強めの筆圧でなぞります。
長い直線は定規を使えば真っ直ぐに描けます。
この方法の一番の利点は定規を使って直線を引ける事。
織り目で線がよれたりしないので、直線を多用するデザインに便利です。
チャコペーパーの説明書では、薄地の時は生地の上に重ねてなぞる、、、とありますが、生地の下に置いた方が濃く写し取れます。
それに図案を反転させる必要なく、生地の裏に下絵がのるので一手間削れます。
番外編:ペンを使った下書き
刺繍や仕立てをした後で、下書きを落としたい(消したい)場合、あるいは、小さな図案や、正確な大きさを気にしなくて良い場合は、ペンを使って簡単に下書きを済ませても良いでしょう。
下書き専用のペーパー以外にも、”水で落ちる布用下書きマーカー”、”日光で褪せる布用下書きマーカー”のなどもあります。
これらは、一般的な手芸店でよく見かけます。
また、布専用ではありませんが、手軽に入手しやすい「こすると消えるタイプのペン」も下書きに使うことが出来ます。(フリクションなど)
紙の上では、擦ることによって生じる摩擦熱でインクが消える仕組みで、布に下書きで使う場合には、刺繍をした後に、ドライヤーやアイロンで熱を加えると線が白くなります。
注:白くなるだけで、完全には消えません。
また、スパンコールは熱に弱い為、加熱し過ぎには注意しましょう。
下書きの方法の選び方
チャコピーを使ったり、ペンを使ったり、方法は色々ありますが、下書きの方法は生地の相性に合わせて変えるのが鉄則です。
いきなり下書きを始めてしまわず、端の方で試して見てから一番良い方法を取り入れましょう。
様々な下書き方法を実践して経験を積むのも、刺繍を上手にする道の1つです。
また、刺繍初心者の方は、刺繍に慣れるまでは、はっきりと線が描けるもので下書きをしておくのがおすすめです。
線が細かったり、薄かったり、刺繍をしている途中で消えてきてしまったりすると困りますよね。
練習して慣れてきたら、白オーガンジーに白いインクなど、下書きが目立たない方法にも挑戦してみるのが良いかもしれません。
【 小さな手芸屋さん 】では、実物大図案、出来上がり写真、レシピなどが揃った刺繍キットをご用意しております。
初心者の方でも安心して取り組んで頂けるように、レシピには刺繍の方法以外にも、刺繍枠に布を張るコツ、下書き方法の説明などがございます。
よろしければ、ぜひご活用下さいませ♪
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