ノルマンディー地方への秋のお知らせ、豊かな自然の贈り物:ブラックベリー
ノルマンディー地方の田舎暮らしのちょっとした贅沢
その醍醐味といえば、やはり大自然を五感で存分にお金をかけずに堪能できること。
自然が豊かなこの場所では、四季折々の風景が美しく、季節ごとに全く違う顔を見せてくれる。
特に秋の訪れ
散歩道で見かけるブラックベリー
フランス語では "mûre" と呼ばれるこのちっちゃい実が、夏の終わりとともに道端や森の中でたわわに実り始めます。
赤色から黒紫色に熟した実は、秋がもうそこまで来ているという自然からのサイン。
思わず手を伸ばして摘んでしまう、その瞬間がなんとも嬉しいものです。
今年は、夫がなんと5キロものブラックベリーを採ってきました。
こんなにたくさんの収穫は初めてで、夫とふたりでジャムやソルベ、シロップ作りに大忙し。
キッチンには甘酸っぱいベリーの香りが漂い、家中が一気に秋の香りに包まれます。
そんなひと時の夫婦の会話も弾みます。
夏のバカンスで太陽が降り注ぐ中でワイワイ過ごしていた日々。
そんな活気あふれる夏が終わると、今度は肌寒さとともに訪れる、実り豊かな穏やかな秋の日々。
庭に出ると、朝露がきらめく草花たち、葉の色が少しずつ赤や黄に変わり始めた木々が、ゆっくりと秋の訪れを告げているのが感じられます。
気づけば、日が短くなり、夕暮れが早く訪れる季節。
窓の外には一面に広がる金色の田園風景が広がり、どこかほっとするような静けさが辺りを包みます。
暖かい飲み物を片手に、ベリージャムをたっぷり塗ったバゲットをかじりながら、窓の外をぼんやり眺めるのも、この季節ならではの楽しみです。
ノルマンディー地方の秋は、決して派手ではないけれど、どこか穏やかで豊か。
そして、時間がゆっくりと流れているような感覚に包まれます。
これから少しずつ、秋の色が深まっていくことでしょう。
今年も豊かな実りに感謝しながら、長く続く秋の日々を楽しみたいと思います。