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言葉や文化が違っても一緒に遊べるのが公園の良さだなって実感した話

ここ数年、公園のことを調べたり、いろんな公園に行ったりしている。インクルーシブな遊び場のことも勉強したり、新しくできたインクルーシブ公園に遊びに行ったりもして、いろんな人に話を聞いたりもしてきた。

でも、この前「これぞインクルーシブだなぁ〜」としみじみ実感したことがあったので、その話を書いておこうと思う。久しぶりのnoteです。

それは、シンガポール動物園のプレイグラウンドでの話。

そもそも動物園の中に大々的なプレイグラウンド(遊具広場)があるのも面白い。動物園も囲われたひとつのエリアに複数の動物がわりと自由に暮らしていたり、動物の横に骨が展示されていて、骨格の違いなんかも一緒に考えることができたり、と面白ポイントはたくさんあるんだけど、まあそれはいつか機会があれば書いてみたいと思う。

そのプレイグラウンドの一角に、大きなブランコがあった。
そのブランコはとても大きいので、誰かに押してもらわないと、自分一人では動かすことができない。何人か一緒に乗れる。

わー!乗りたい!と走っていったものの、先約が遊んでいてすぐに乗れないうちのキッズたち。「かわって」とも言えず、待っていてもいつ代わってくれるかわからない。先客はというと、押していたお父さんまで一緒に飛び乗ってより一層盛り上がって遊んでいる。困った挙句、諦めて別の遊具に遊びにいった。でもやっぱりあのブランコに乗りたい。

そばでしばらく見ていると、いろんな子どもたちがブランコに来た。

一人では遊べないから、必ず誰かの助けが必要。乗るのも楽しいけど、押すのも楽しい。次乗りたい子が、押し役に参加すると、自然に交代のやりとりができていた。

さっきは眺めるだけで諦めたうちのキッズたちも、押し役に参戦するとすんなり輪に入れた。そして交代してくれる時が来た。さっき乗ってた子が押してくれたり、また新しい子が押しに来たり。みんなで乗ったり。

初めて会った子でも、言葉が通じなくても、年齢も国籍も肌の色も文化も関係なく、笑顔で一緒に楽しい時間を過ごすことができたあのブランコに、私は静かにものすごく感動したのだった。これぞインクルーシブな遊び場だと。

シンガポールは、もともと中華系・マレー系・インド系など複数の民族が暮らしていて、外国人も多い国。英語が主に使われているけど、人々の話す言葉もさまざま。

障がいがある子がどんな風に過ごしているのかはわからないけれど、音で遊べる遊具、色で遊べる遊具もあり、いろんな感覚を使って思い切り遊べる広場になっていた。広々したスロープや平らなアプローチでベビーカーでもすんなり。

たたくといろんな音がする楽器のような花や、回すと鳴くカエル、小さい子も楽しめる

ここはインクルーシブな遊び場です!と謳わずとも自然に街の中にこういう遊び場があって、いろんな子どもたちが自然に遊んでいる、そんな風景を見ることができた2023年秋のシンガポールでした。

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