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公園ボランティアについて調べてみた(全国自治体編)

こんにちは、お久しぶりです。みんなの公園愛護会の2年目のプロジェクトがだんだん形になってきたので、ちょっと長いですが、よかったら聞いてください。

調査をしようと思った、はじめのきっかけ

地域の小さな公園の日常を守っている公園愛護会や公園ボランティアが、良い感じに繋がって、お互い楽しく充実した活動ができたら、そのためのサポートなんかもできたら、そんな思いでスタートしたものの、公園愛護会の全体像がわからない。

だったら調べてみようじゃないですか!

ということで、まずは手近なところで神奈川県について調べたのが1年目。神奈川県の全33自治体の公園担当課に電話して、趣旨を説明し、アンケートを送付。そのまとめがこちら。

ということで、神奈川の状況については、33の自治体のうち24(72.7%)に公園愛護会やそれに類する制度があることが分かったり(これは後に、かなり多い状況だということが分かるのだけど、この時点では「へ〜そんなもんか〜結構あるんだね〜」と思ってた)、「お金で支援」もしくは「物品支援」という2大方針が存在すること、そしてみんな高齢化がヤバイと思っていることが分かった。

じゃあ全国ってどうなってるの?

神奈川で調査をするとき、東京についてもネットでサクッと調べてみたところ、The公園愛護会のような制度は少なそうだった。他県では月額設定しているところもあったし、雪の地方はそもそも冬は公園使えないってことで期間が限られていた。

もっとエリアを広げて調べてみたい!

そしてもっと詳しく知りたい!

・公園ボランティア制度って、全国にどのくらいあるの?
・自治体によってサポート内容違うのは分かるけど、パターンや傾向ってあるの?
・地域によって活動内容に違いがあるの?
・高齢化が課題って、もはや合言葉みたいになってるけど、具体的に真っ先にどんな支障が出ているの?

こんなことを思いながら、調査の設計をした。

どんな方法でやる?

1年目は何もない状態からの手探り状態。WEBサイトもなければ、何の後ろ盾もない、怪しさ満点の団体だったから、とにかく丁寧にやることを心がけた。

担当部署調べて、電話して、話して、アンケート送付して、回答待って、期日までに来てないところ電話して。これ2年目も同じやり方だと、ものすごく時間と手間がかかる。同じやり方で46年かける訳にはいかない。

前年の神奈川でのレポートと、国交省にデータ提供するという公式感(実際神奈川の調査データは提供して喜んで頂けた)を前面に出して、メールでのやり取りを中心に、省力化していくことにした。WEBサイトもある。

でも、全国には、1,741もの市区町村が存在する

ネットサーフィンのプロなら、この数の市区町村の公園を担当している部署とその連絡先をどう調べるのだろうか。しかも、そもそも山ばっかりで公園がない村なども、まあまあ存在する。

ダメもとで、とある県庁に電話して聞いてみたら、協力できないこともなさそうな雰囲気。ご厚意の波に乗って、県庁や道庁からの連絡ルートで調査協力をしていただくことで、かなり一気に調査が進んだミラクル。(ありがとうございました!)

協力不可の都府県は、アマチュアのネットサーフィン技術を駆使して、全ての市区町村の公園担当部署とその連絡先を調べて地道にコンタクトしていった。

回答はメールとネットフォームで

調査は可能な限りインターネットフォームからの回答を推奨。アクセスできない場合(行政ではよくあるパターン)は、Excelファイルのメール添付で回答をしてもらった。インターネットフォームは、Googleフォームを使った。

調査の結果

公園のある全国47都道府県内の1,346市区町村の公園管理に関する部署の担当者に調査依頼をし、761 件(756市区町村+4県+1広域市町村圏事務組合)から回答をもらうことができた。

公園ボランティア制度は、全国に存在している

回答のあった761のうち264自治体(34.7%)に、地域住民による公園ボランティアの制度があることがわかった。

公園に限らずパブリックスペースを広く活動サポートするケースや、目的によって2つ以上の制度を併用している自治体もあった。

また、公園ボランティアは、特定の地域のみに存在するものではなく、北海道から九州まで広く地域に根付いていることもわかった。

この数字だけを見ると、結構少ない感じに見えるけれど、ボランティア制度がないと回答した自治体でも、自治会町内会などの地縁組織が公園管理に関わっているという場合はかなり多く、地域の人が地域の公園を支えているという実態が見えた。

お金で支援、物品で支援、その両方もあり

自治体からどのような支援を行っているのか?その内容については、お金で支援するケースと、物品で支援するケースがそれぞれ約40%ずつ、お金と物品の両方で支援するパターンも15%あった。

お金で支援する場合の支援金は、面積に応じて変化していくケースと、基本料金に面積加算や内容加算があるケースが、それぞれ半々だった。

お金と物品の支援2大方針も半々。金額の決め方も半々。支援内容や報告書のやりとりも含め、絶対的な王道パターンのようなものはないことも見えてきた。

県内近隣の市町を参考にしながら制度設計&運用していっている色が濃いめだが、地域それぞれの実情に合わせた制度設計がされているんだなあと思う結果。

価値は、コスト削減+地域住民による公園利用の活性化

公園ボランティアがもたらしている価値や効果については、個人的にもかなり注目していた項目だった。

公園愛護会のそもそもの制度スタート時の目的である「街区公園の維持管理を住民に助けてもらう」というコスト削減面もさることながら、公園ボランティア活動があることで、公園の利用が活発化したり、公園を中心に地域の繋がりが出来ているという、地域の豊かさに繋がる効果があると自治体職員が認識していることが、とても興味深い。

詳しい調査結果について

このほか、公園ボランティアの抱える課題や、自治体として力を入れていること、団体数の増減推移、コロナの影響など、さまざまな項目について調査をした。

詳しい結果のレポートについては、みんなの公園愛護会のウェブサイトで公開しているので、よかったら覗いて見てもらえるとうれしいです。


調査を終えて

自治体調査については、一通り全国的な傾向を見ることができたかなと思う。公園ボランティア制度は、人口が多めの都市で整備運用されていることが多いことも見えてきたけど、これは、暮らしの中での公園の位置付けのようなものが、違っているからかなとも思う。どちらが良いという訳ではなく、どっちもそれぞれ良い。

たくさんの自治体とやりとりする中で、当然いろんな人がいる。日々丁寧に向き合って、サポートしている担当さんの姿も見えてきてる。

公園ボランティアをサポートしている自治体の担当さんを応援したい気持ちでいっぱい。

意見交換しながら、時代に合わせて制度を変えていっている自治体。新しい担い手を増やすためにあれこれ工夫を重ねる自治体。これから、もっといろんな話を聞いていきたい。

そして、この自治体調査に続いて、公園ボランティアの担い手へのアンケートも行ったので、これについてはまた書きます。

ここまでの長旅、読んで下さってありがとうございました。

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