聴いてます④
中学生の終わりに、ボーカロイドという文化を知った。そのときから、音楽をネットで聴くことを覚えた。
そうやって聴いていくうちに、自分は邦ロックというジャンルが好きなのだと知り、TSUTAYAに通い詰めてCDを借りた。(まだまだストリーミングサービスなんてなかった)
好きなボカロ曲を探すなかで、ネット上にはものすごくたくさんの文化があるらしいと知った。その中にいわゆるオタクに業界があって、その中でも二次創作であったり、歌ってみた、ワンライ、ピクシブなど様々な分野があった。
こんなふうに世界が広いことを、小学生のころの自分に教えてあげたかった。
学校が嫌いで人づきあいが苦手で、「クラスのお友達」なんていないと思っていたころの自分が知ったら、私は確実に今とは違っていただろう。
俗に厨二と呼ばれるような嗜好にも当てはまっていた時期が多分あって、メンズの服を着てみたり、今では目も当てられないような小説を書いてみたりしていた。
そのときに気持ちの破片は今でももっていて、例えば耳にたくさん空いたピアスや、日常生活で使わないような(例えば「蠱惑」とか)言葉をさらっと使って見せたりすることなんかにほんの少しあこがれがあって、けれど私は普通の枠から出ることができなくて、あこがれはあこがれのまま、実行することはなかった。
今日、よく行くパン屋さんのレジをしてくれた店員さんが、多分新人さんで、化粧っけのないお顔に大量のピアス、そしてピアスの穴が空いていて、おもわずじっと見てしまった。
それで思い出したあれこれだった。
私があこがれて、でもあけなかったピアスをあけていたお姉さんをみて思い出したあれこれ。それで聴きたくなった曲。
「ありふれたせかいせいふく」ピノキオP
とにかく音がかわいくて、歌詞が優しくとがっていて好き。
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