聴いてます①
普段音楽を聴いていることが多いので、音楽を聴きながら何かを考えることが多い。
でもそのとき思ったことは、音楽なしで語ることはできないので、音楽と共に書きたい。
それをこの「聴いてます」シリーズで書こうかな、と思う。
簡単に言うと好きな曲についてつらつら書くということなのだけど。
お付き合いいただけたら嬉しいです。
①は、この曲
GotyeのSomebody That I Used To Know
Gotyeの良い声と、サビの必死さ、Kimbraの美しいウィスパーボイスと、意志の強そうな歌声に、迫るようなコーラスがとっても素敵で大好きな曲。
伴奏は短く跳ねるような音で小気味よく進んでいって、それがなんとなく、人の気持ちや関係性が移りかわっていって戻らない様子を表しているようで、少し怖い。
歌詞をごりごり全部載せてしまおうかと思ったけれど、それはあまりにもあんまりなので、歌詞の一部と軽い解釈を。
恋人同士だった二人が、お互い居心地の悪さを感じてしまって、別れることになったのだけれど、そのときの二人がまた行き違ってしまう、という歌詞。男性パートと女性パートに分かれている。
So when we found that we could not make sense
Well you said that we would still be friends
But I'll admit that I was glad that it was over
男性は、友達に戻るんじゃなく、すべて終わらせた方がいいって言ってるんだけれど、そのあと、ちょっと女々しい感じになる、
But you didn't have to cut me off
Make out like it never happened
And that we were nothing
And I don't even need your love
But you treat me like a stranger
And that feels so rough
You didn't have to stoop so low
Have your friends collect your records
And then change your number
I guess that I don't need that though
Now you're just somebody that I used to know
女性から、まるで他人のような扱いを受け、切り捨てられたように感じて、「切り捨てる必要はないじゃないか」「全然知らない人みたいな風に扱われて、心がささくれた」「電話番号も変えるなんて。まぁもう君は昔の知り合いってだけだから、僕には必要ないけど」なんて、ものすごく自分が傷ついたということを歌う。
友達に戻るんじゃなくて、すべて終わらせる方がいいなんて言っていたのに、まったく何もなかったかのようにされるのはひどいんじゃない、なんて、なんだか女々しすぎやしないか、と思ったけれど、彼の気持ちもわかる。
自分との時間がすべてなかったものみたいにされるなんて寂しい。悲しい。
けれど彼女の気持ちもわかる。
終わってしまった恋を残しておかないといけない理由も、彼を自分の対人関係のメモリーに残しておかないといけない理由もない。捨てるも残すも私の勝手だし、私は消したかったの。
彼女のパートでは、こんな風に歌っている。
And I don't want to live that way
Reading into every word you say
You said that you could let it go
And I wouldn't catch you hung up on somebody that you used to know
彼といたときは、ずいぶん苦しかったようだ。「あんな風に生きたくない。あなたの一言一句を深読みしていきていくなんて」「昔の知り合いであるあなたにしがみつきたくないの」
言い切れる彼女は格好良い。それになんだかモラハラ彼氏だったのかな?
けれどやっぱり、サビで繰り返される彼のさみしい気持ち、悲しくてやりきれない気持ちもよくわかる。
典型的な「女は上書き保存」を歌った歌なのかと思ったけれど、海外にもその思想はあるのだろうか。
自分のことを振り返ってみると、するりと「なかったこと」にして、道端で会っても気づかない振りをして、3年くらい経って後悔した記憶がある。
生きている限り、「自分がなかったことにした人」とまたばったり再会してしまう可能性はあるんだから、なかったことにするよりは、次に再会したときに笑って「元気にしてた?」と言えるようにしたいなと思う。
まぁそうするにはかなりの体力と精神力と度胸がいるような気がするけれど。
それに人生はぐんぐん過ぎていくから、自分が「人生を一緒に過ごせない」と思った人ではなくて、次に出会う人に持てる気持ちを全力で注ぎたいなぁと思ってしまうのも事実。難しいね。
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