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ねこさん・わんちゃんの下痢にまつわるお話
はじめに
ねこさん・わんちゃんが下痢をしてしまうことは珍しくありません。そして1〜2日様子を見ていたら治ってしまうことがよくあるのも事実です。
ただ、多くの飼い主さんたちが困るのは、下痢が起きたときにしばらく様子を見てもよいのか、すぐに動物病院に連れて行ったほうがよいのか、判断がつかないことだろうと思います。
ねこさん・わんちゃんの様子が普段と違うのであれば、原則として動物病院に連れて行くことをおすすめします。
SNSなどで「動物病院に連れて行ったほうがいいでしょうか」と相談している飼い主さんを見かけることがありますが、「動物病院に連れて行ったほうがいいかも」と迷った時は動物病院に連れて行ってください。
SNSで相談している場合ではありません。
パラドックスのような話になりますが、「動物病院に連れて行ったほうがいいかどうかを動物病院で判断してもらう」くらいの感覚がよいと僕は思います。
「ねこさん・わんちゃんが下痢をしたときには動物病院に連れて行く」ことが前提で、今回は
できるだけ早く動物病院に連れて行ったほうがよい場合
そもそも下痢とは?
下痢にはどんなパターンがあるか
下痢でねこさん・わんちゃんを動物病院に連れて行くときのコツ
について解説していきます。
できるだけ早く動物病院に連れて行ったほうがよい場合
単なる下痢だけでなく、次のような症状がないかチェックしてください。
一つでも当てはまれば、できるだけ早く動物病院に連れて行ってあげてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1694752122811-S5bIJEIbfk.jpg?width=1200)
このチェックポイントに一つでも当てはまると、”単なる下痢”ではない可能性があるため、できるだけ早く動物病院に連れて行ってあげてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1694752234529-fVGHVjL8PO.png)
赤ちゃんなどの体温をうまく測ることができるように、耳で体温を測ることのできる体温計があります。
このタイプの体温計であれば、比較的簡単にねこさん・わんちゃんの体温を測ることができますので、おうちにひとつあると便利です。
必ずしも正確な体温が測れるとは限らないのですが、ときどき、ねこさん・わんちゃんの体温を測って、”その体温計での平熱”を知っておくと、何かあったときに普段と比べて体温が上がっているかどうかがわかります。
そもそも下痢とは
もしかしたら勘違いしている人もいるかもしれませんが、「下痢」は「病気」の名前ではありません。
下痢は「うんちに含まれる水分の量が正常よりも多い状態」を指す「症状」の名前です。
例えば、「発熱」と同じですね。「発熱」という名前の「病気」があるわけではなく、発熱は「体温が正常よりも高い状態」を指す「症状」の名前ですよね。
ところが、「熱になった」とは言いませんが、よく「下痢になった」という言い方をします。
「(うんちが)下痢(という状態)になった」というつもりであれば本来の意味で使われていることになりますが、多くの場合「(私が)下痢(という病気みたいなもの)になった」というニュアンスで使われているのではないでしょうか。
これが、下痢というのがなんとなく病気の名前っぽく感じる原因かもしれません。
「なぜ、そんな細かいことにこだわるの?」と思われるかもしれませんね。
でも、これが意外に大事なポイントなのです。
もう一度、「発熱」を例にしてお話しますね。
発熱という症状が出ている場合、発熱を引き起こしている病気などの原因があるはずです。
発熱を引き起こす原因はいくらでもあります。風邪(ウイルス感染)が原因かもしれませんし、ケガをして細菌感染が起きているのかもしれません。あるいは肺炎や肝炎など、命にかかわるような病気かもしれません。
ですから、発熱という症状があったら、獣医さんやお医者さんは、何が原因かを探って、その原因を取り除くための治療をするわけです。
同じように下痢も症状ですから、下痢を引き起こしている病気などの原因があるはずですね。
下痢を引き起こす原因も、あげればキリがないくらいたくさんあります。
ですから、獣医さんやお医者さんは下痢の原因を探って、その原因を取り除くための治療をすることになります。
ただ、発熱と下痢では大きく違うことがあります。
発熱は体の内部で起こりますが、下痢は体の外部で起こっているということです。
「え?!」と思った人は、ぜひ、この講座の第7回をご覧になってください(第7回の記事はこちら)。
詳しいことは第7回の記事に書いてありますが、胃のなかや腸の中は体の外なんですね。
本来、体の中はある一定の状態になるように保たれています。発熱があるということは、体の中を一定に保つ仕組みがどこかで破綻していることを示しています。つまり、体のどこかに異常があることがわかります。
これに対して下痢は、体の中を一定に保つ仕組みがちゃんと働いていても起こることがあります。何せ体の外での出来事ですから。
このため、下痢が起きたときに、しばらく様子を見ているだけでおさまってしまうこともあるわけです。
飼い主さんたちも普段、自分の身でこれを経験していますから、ねこさん・わんちゃんが下痢をしたときにも、しばらく様子を見ていればおさまるのか、すぐに動物病院に連れて行ったほうがよいのか迷ってしまうことになります。
そこでこれから、どんな状態になったときに下痢が起こるのか、いくつかのパターンを解説していきます。
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