タンパク質ってそんなに大事なの? からだ編
栄養素としてだけでなく
ねこさん・わんちゃんの健康を考えるうえでも、そのためのフードを考えるうえでも、タンパク質のお話を避けて通ることはできません。
タンパク質と聞くと、お肉や大豆、あるいはプロテインドリンクなどが思い浮かぶかもしれません。タンパク質は、もちろん栄養素としてもとても重要ですが、それ以前に「生き物の体の中で働く生命活動の主役」といっても過言ではないくらい、生き物にとって必要不可欠なものです。
そこでまず今回は、体の中でのタンパク質の働き、中でもとくに「酵素」についてくわしく解説します。
そして、「栄養素としてのタンパク質」については次回に解説します。
タンパク質ってどんなもの?
体を構成する成分の中で、水(約60%)についで多いのがタンパク質(約18%)です。(割合はヒトのものです。)
そして、タンパク質のもとになっているのが「アミノ酸」です。
アミノ酸の基本的な構造は下の図のとおりです。
上の図のようにアミノ酸には決まった形があり、「側鎖(そくさ)」というパーツがかならずついています。
側鎖の中身の違いによってアミノ酸の種類が決まり、タンパク質のもとになっているアミノ酸の側鎖には20種類あります。つまりアミノ酸は20種類あるわけですね。
そして、これらのアミノ酸を順番につなげることでタンパク質が合成されます。もちろん、タンパク質ごとにアミノ酸をつなげる順番や数が決まっています。
タンパク質はアミノ酸が十数個から大きなものでは数万個がつながってできています。そして、タンパク質はアミノ酸が一列につながって、長いヒモのような構造をしています。
ところが、それぞれのアミノ酸の側鎖の性質によって、アミノ酸どうしで引きあう部分や反発しあう部分ができるため、タンパク質はあちこちで折れ曲がり、結果的には立体的な構造になります。(ヒモを丸めたものをイメージしてください。ただしタンパク質はもつれたりしません。)
※下の図は見なくても大丈夫です。
ここから先は
ペットフード会社に25年以上勤めた獣医師のペットフード講座
2頭のねこさんと暮らす、ペットフード会社に25年以上勤めた獣医師が、ねこさん、わんちゃんの健康と栄養学、ペットフードの本当の中身について、…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?