ねこさん・わんちゃんの皮膚と毛と栄養
はじめに
暑い日が続きますね。
ただでさえ暑いのに、全身が毛におおわれている(そうでない品種もありますが)ねこさん・わんちゃんは見るからに暑そうです。
そこで少しでも涼しくなればと、ねこさん・わんちゃんにブラッシングをしてあげている飼い主さんも多いことでしょう。
ちなみに、うちのチビはブラッシングされるのが大好きで、毎日何度もブラッシングをねだってきます。
すると、毎日ブラッシングをしているにもかかわらず、毎回けっこうな量の抜け毛がとれます。
みなさんも、ねこさん・わんちゃんの抜け毛の量の多さにビックリしたことがあるのではないでしょうか。
でも、だからといって毛がなくなってしまうことはありません。
「いったいどうなってるの?」と思ったことはありませんか?
そこで今回は、ねこさん・わんちゃんの皮膚と毛について解説し、さらに皮膚・毛と栄養の関係についても解説します。
皮膚の大きさってどれくらい?
皮膚は外側から順に、表皮(ひょうひ)、真皮(しんぴ)、皮下組織(ひかそしき)の3つ層でできています。
からだの場所によってちがいはありますが、ヒトでは表皮と真皮を合わせた厚さが、平均で3mmくらいです。
ネコやイヌの皮膚はヒトの皮膚よりも薄く、とくに表皮の厚さはヒトの表皮の3分の1~5分の1くらいです。
とは言え、皮膚は全身をおおっていますから、その大きさはあなどれません。じつは、皮膚は体重にしめる割合がもっとも大きな臓器なんです。
表皮と真皮をあわせると、ヒトでは体重の7%前後をしめます。
そして、「第13回 夏に気をつけること その1」で解説したように、体積が小さくなるほど体積に対する体表面積の割合が大きくなりますから、ヒトよりも体が小さいネコやイヌでは、さらに皮膚の割合が大きくなります。
(第13回の記事はこちら)
そのため、ネコや小型犬では体重の約20%、中型犬で約15%、大型犬では約10%を皮膚がしめています。
ということは、体重が5kgのねこさん・わんちゃんのうち、1kgは皮膚ということになります。
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ペットフード会社に25年以上勤めた獣医師のペットフード講座
2頭のねこさんと暮らす、ペットフード会社に25年以上勤めた獣医師が、ねこさん、わんちゃんの健康と栄養学、ペットフードの本当の中身について、…
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