コーヒー・喫茶店と私①


 喫茶店でゆっくりコーヒーを飲むことは、なんて贅沢で素敵な時間の使い方なんでしょう。

 多くの人が、理由や方法は違えど、喫茶店・コーヒーを愛しています。そして、私もその一員です。

 みんなは、どうして喫茶店・コーヒーを好きになったんでしょう?そんなことが、ムクムクと気になってきました。人のことを聞くときは、まずは自分から、と言いますので、まずは私のことをお話しします。自分がどうして、喫茶店・コーヒーに惹かれるようになったのか、それを振り返る意味もこめて。

 現在、大学四年生の私がコーヒーを愛飲するようになった経緯は次のようなものです。

 記憶は小学校低学年のころまでさかのぼります。。。

 私の祖父母はコーヒーを飲みに喫茶店に行くことが好きでした。私がどれくらいの頻度で喫茶店に連れて行ってもらっていたのか、あまり覚えてはいないのですが、私の喫茶店への憧憬はこの頃の記憶に根付いていると思われます。喫茶店で家族と過ごす時間は、幸せなものだったのです。

 とても思い出深いお話があります。家から西の方角にしばらく歩いたところに、「ポップ」という喫茶店がありました。Y字路の、Yの股の三角形の敷地にあるこぢんまりとしたお店です。私の祖父母はこの店にちょくちょく通っていましたが、そのお店はある日パタリと閉店してしまいました。

 これについて、「ポップ」の近くに住んでいた賢い友達が私の家に遊びに来た時にこう言いました。

「ポップ、繁盛していたのになあ」

 この言葉に、私というより、その場にいた家族がとても驚いていたようなのです。私が小学三年生の時だったので、その友達は小学三年生にして、生意気にも「繁盛」という言葉を正しい意味で使いこなしていたのです。その日から、彼はめでたく「先生」というあだ名で呼ばれるようになりました。それはもちろん、私の家族に限った話であります。

 その友達とは、中学、高校と同じ学校に進学しました。一緒のクラスになることは無かったので、私たちが会話を交わす回数はだんだんと減っていきました。ただ、それは疎遠になっていった、とは少し違うと、私は勝手に思っています。私は関西の大学に、彼は東京の大学に入学しました。

 二年前、成人式の場で、久しぶりに彼と話しました。遥か遠い世界に進んでいくであろう彼は、昔と変わらず、優しいものの見方をしていて、なんだかそれがすごく嬉しかったです。

 そんな「先生」の話題は、今でも我が家でたびたび持ち上がるのです。

 

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