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ChatGPTが教えてくれるペットテック。その有用性を評価してみます。
OpenAI が11月にロンチしたChatGPT。とりあえず触ってみることが大事ですね。新鮮味と驚きがたくさん。早速ペットビジネスに関する会話を3つしてみました。学校の宿題レベルなら秒で完了してしまいそうな文章を返答してきますが、その正確性はいかに。最後に個人的な評価を結論づけます。
1、ペットテックの未来
2、ペットテックの2023年のトレンド
3、有望なペットテックスタートアップ
1.「ペットテックの未来について」に対する返答
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以下の回答が返ってきました。確かにググると出てきそうな内容。
ペットテック、すなわちペットの世話や健康に関連するテクノロジーは、幅広い製品やサービスを提供する急成長産業。今後、大きな成長が期待される分野には、以下のようなものがある。
・ウェアラブル技術。ペットの健康状態や活動量をモニターできる首輪、活モニター、スマートカラーなどが含まれる。
・遠隔医療。技術の進歩により、獣医師とのビデオ通話や遠隔医療プラットフォームによるバーチャルな診察が一般的になりつつあります。
・ペットフードや栄養。高品質なペットフードや栄養補助食品、ペットのための個別栄養計画への需要が高まっている。
・ホーム&ペットケアサービス。在宅勤務の増加や多忙化に伴い、ペットシッターや犬の散歩などの在宅、ペットケアサービスの需要拡大が予想される。
・バーチャルペットケア。ペットケアに関するアドバイスやサポートを受けるために、ペットオーナーが訓練を受けた専門家とつながることを可能にするバーチャルペットケアプラットフォームを開発する企業もある。
ペットテックの未来は明るく、ペットオーナーとペットのニーズを満たすために、多くのエキサイティングなイノベーションと新しい製品・サービスが開発されている。
2. 「ペットテックの2023年のトレンド」に対する返答
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以下の回答が返ってきました。表面的な内容に終始していますが、要点はおさえている印象。
2023年のペットビジネス業界の潜在的なトレンドをいくつか紹介する。
1. 持続可能性への注目の高まり。消費者が環境への影響をより意識するようになり、より環境に優しいペット用品やサービスが求められるようになるかもしれない。ペット用品に持続可能な素材を使用することや、環境に配慮したペットフードやその他の製品への注目が集まる可能性がある。
2.遠隔診療の拡大。COVID-19の流行により、遠隔/オンラインでの診察や治療が行われるようになったことから、ペットの遠隔医療は今後も普及する可能性がある。獣医師による診察のほか、しつけや行動変容のための遠隔治療などが考えられる。
3.パーソナライズされた製品・サービスの台頭。消費者のパーソナライズされた商品やサービスへの関心が高まるにつれ、ペット業界もそれに追随する可能性がある。個別最適化された栄養プランや、カスタマイズされたペット用品やサービスなどが考えられる。
4.テクノロジーの活用の増加。ペット業界では、すでにテクノロジーが重要な役割を果たしており、この傾向は今後も続くと思われる。ペット用のウェアラブル・テクノロジーや、スマート・フィーダーなどのコネクテッド・デバイスの利用が考えられる。
5.ペットの健康と福祉への注目の高まり(Health and Wellness)。ペットの健康と幸福を優先する人が増えるにつれ、ペットの健康と幸福を増進する製品やサービスが注目されるようになる可能性がある。例えば、ペットフードや栄養補助食品、ペット用フィットネス・健康器具などが注目される可能性がある。
3. 「有望なペットテックスタートアップ」に対する返答
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以下の返答がありました。
ペットと飼い主の生活を向上させる革新的な製品やサービスに取り組んでいる、有望なペット関連スタートアップ企業が数多く存在する。ここでは、そのいくつかを紹介。
1.BarkBox。犬用のおもちゃやおやつなどが入ったボックスを毎月顧客に届けるサービスを提供。
2.Petnet。スマートフォンのアプリでペットフードを遠隔操作・監視できるスマートフィーダーを提供。
3.Whistle。ペットの居場所や活動量を把握できるペットトラッカーとアクティビティモニターを提供。
4.FurryFido。おもちゃ、寝具、グルーミング用品など、サステナブルな素材を使った環境に優しいペット用品を扱う。
5.VetPronto。モバイルアプリでオンデマンドの動物医療を提供し、飼い主が獣医師とつながってバーチャル診察やその他のサービスを受けられるようなサービスを提供。
以上、ペットと飼い主の生活向上に取り組む有望なスタートアップをご紹介しました。
有望(promising)であるかどうかの判断は主観的なもので難しいですが各社の客観的な状況は以下で個人的に評価してみます。
結論、ChatGPTの回答はかなり微妙で、この回答を仕事でそのまま使用したらその人の評価は非常に微妙になりそう。これに関しては2015〜2016年頃の情報が基になっている印象。以下に見ていきましょう。
1. BarkBox
2012年創業以来の快進撃が続いてD2C/パーソナライズ/サブスク型BOX/みたいな文脈では最先端のスタートアップだったと思います。そして2020年末にSPAC上場。しかしながら今年のFEDの歴史的な金融引き締めも影響して、上場時から株価は最安値で93%以上暴落。営業赤字は解消しておらず今後の業績に注目が集まると個人的に考えています。短中長期どれで評価するかが難しいですが2023年もFEDがリセッションを受けて利下げに転じるまではハイパーグロース銘柄/ナスダック銘柄は低調だと思うため回答の評価は「▲」かなと。もちろん株価が全てでは無いですが一つのわかりやすい指標として。
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2. Petnet
2012年創業。2016年にシリーズBクローズ。合計調達金額は約$15M。2020年頃からペットに食事を与えられない等、システムの不具合が発生。顧客対応もミス。調べる限り現在は既に撤退(その崩壊について言及しているブログもありました。)。ペットに関するQ&AプラットフォームPetKeenにピボットして経営を続けている様子。ということで回答の評価は「✖️」。
3. Whistle
Whistleは買収によって成長し、最終的には2016年にMarsPetcareに買収され、という道を辿り、現在はMars傘下のスマートデバイス、ウェアラブルブランド。居場所を特定する機能だけでなく、多様な健康状態(食事パターンや睡眠状態等)もトラックでき、そのホームケアで収集したデータを獣医師と連携できるようになりつつあります。大きなコンセプトとしては正しいと思うので、あとはいつビジネスとして成立するかどうか。
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4. FurryFido
私は知らなかったので検索してみるとChewyやWalmart等の大手小売で扱っているブランドっぽいですが品数もあまりなく下記商品が主力っぽいですが「?」な印象。ってことで回答の評価は「✖️」。どんなインプットデータからこの回答に至ったのか謎です。
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5. VetPronto
VetProntoは2015年にY Combinatorの支援を受けて誕生しましたが、2017年に競合のVettedに買収され、そして今ではブランドも消失。下記ブログで創業者が語っていますが「enthaize」とは安楽死という意味です(獣医療に掛けた表現かと)。ということで有望とは対局で、ChatGPTの評価は言うまでもなく「✖️」。
結論
ChatGPTの使い方には気を付ける必要がありますね。大まかな話の回答は許容できるとして、具体性や正確性を求めようとすると要注意。特に最新の話題には付いていけない感じ。大きな可能性を持ったツールであることに異論の余地はないですが、検索の代替手段としてメインで活用するのはもうちょっと先のことになりそうです。
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