ペット関連米国株の2022年を振り返る
米国株投資家にとって2022年の投資環境は歴史的に最悪な1年でした。株式だけじゃなく債権もメタメタ(下図が全てを物語っています)。インフレを沈静化させるためにFEDが断行した急激な利上げが全てでしたね。
2023年はリセッションの到来、高金利下での企業業績悪化、年後半の利下げ可能性などに注目が集まっています。そんな中、昔から「ペット業界はRecession-Proofな(不況に強い)業界だ」と言われています。
果たして本当なのか。今年は本当にそれが確認できることを楽しみにしています。ということで、その前にペット関連銘柄の昨年2022年の株価をざっと振り返っておきたいと思います。
結論、教科書通りに金利上昇局面でグロース/ハイパーグロース銘柄はきっちりやられました。スタートアップの文脈で近年注目が集まっていたRover、Wag、BARKは特に悲惨な状況で全て60%以上の下落を記録しました。
さて、それぞれ見ていきましょう。米国株のペット関連株について時価総額(1/5夕方時点)が高い順に見ていきます。2022年の主要指数のパフォーマンスは以下。これらベンチマークとして比較してどうでしょうか。
・Dow Jones: ▲9.4%
・S&P500: ▲19.5%
・Nasdaq: ▲34%
■ Zoetis Inc($ZTS)
NYSE 時価総額:$69.4bn
動物用医薬品等を扱うZoetis。
対年初下落率: ▲39.75%
■IDEXX Laboratories Inc($IDXX)
NASDAQ 時価総額:$33.62bn
コンパニオンアニマルの検査ソリューション等を扱うIDEXX。
対年初下落率: ▲37.77%
■Chewy Inc($CHWY)
NYSE 時価総額:$15.01bn
店舗を持たずECを中心とする小売のChewy。
対年初下落率: ▲37.57%
■Freshpet, Inc.($FRPT)
NASDAQ 時価総額:$2.52bn
フレッシュなペットフードを手がけるフレッシュペット。
対年初下落率: ▲44.83%
■Petco Health and Wellness Company, Inc.($WOOF)
NASDAQ 時価総額:$2.44bn
店舗を持ちオムニチャネル戦略を推進する総合小売のPetCo。
対年初下落率: ▲52.15%
■Central Garden & Pet Company, Inc.($CENTA)
NASDAQ 時価総額:$1.92bn
ペットを含む総合的な日用品等を展開するCentral Garden & Pet Company。
対年初下落率: ▲25.18%
■Trupanion, Inc.($TRUP)
NASDAQ 時価総額:$1.86bn
ペット保険を展開するTrupanion(トゥルーパニオン)。今後の市場成長が予測されるペット保険業界において注目を集める一社。アフラックと組んで日本にも進出します。
対年初下落率: ▲64.82%
■Rover Group, Inc($ROVR)
NASDAQ 時価総額:$744.2m
犬の散歩などペットケアのC2CマッチングプラットフォームのRover。
対年初下落率: ▲62.93%
■PetMed Express, Inc.($PETS)
NASDAQ 時価総額:$375.99m
処方薬と非処方薬を扱うペットのオンライン薬局のPetMed Express。
対年初下落率: ▲30.64%
■PetIQ, Inc.($PETQ)
NASDAQ 時価総額:$274.71m
ペット用医薬品と健康製品の製造販売を行うPetIQ。
対年初下落率: ▲59.88%
■BARK, Inc.($BARK)
NYSE 時価総額:$272.94m
ペット用おもちゃやデンタルケア製品、フード等を提供するBark。
対年初下落率: ▲65.11%
BARKも然りSPAC上場銘柄は軒並み壊滅状態。上場来90%超の下落。
■Wag! Group Co($PET)
NASDAQ 時価総額:$97.47m
Roverの直接的な競合。犬の散歩などペットケアのC2Cマッチングプラットフォーム。過去にはソフトバンクのビジョンファンドも出資(後に撤退)したことで認知度を高めたWag。
対年初下落率: ▲68.44%
文章で補足するまでもなくチャートが全てを物語っています…以上です。
本情報は、特定の銘柄などについての投資勧誘を目的としたものではなく、投資判断の最終決定は、閲覧者ご自身の責任と判断において行ってください。
◆ ◆ ◆
関連記事