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海外ペットテック スタートアップニュースまとめ#13(獣医オンライン相談FirstVet)
海外のペットテック、ペットに関連するスタートアップやビジネストレンド、新サービス等々に関する最近のニュースをまとめてご紹介していくシリーズ。新規事業のアイデアにもなるかも。早速見ていきましょう。
ペット向け遠隔医療のFirstVet(スウェーデン発)が$35M調達して米国進出へ
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FirstVetはオンデマンド型の遠隔診療プラットフォームを提供している、スウェーデンストックホルム発のスタートアップ。今回の資金調達を経て、米国進出を強化。現在までにスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、イギリス、ドイツの6カ国でサービス展開中で、今後はアメリカの他にもカナダとフランスへも進出予定。
2019年にもシリーズBで$22M調達しており調達合計はこれで$65M。人向けの遠隔診療を手がけるスタートアップにも匹敵するレベルの金額(なので、ペットの遠隔診療も投資家の注目度は高い領域であることがわかる)。
今回のラウンドでFirstVetに出資したVCのCathay InnovationのコメントからFirstVetの実績を抜粋してみると以下とのこと。
・週7日24時間、年中休みなしでオンライン診療を提供
・待ち時間は最長でも30分
・オンライン診療のうち70%は、実際に動物病院に行く必要がなかった
・380,000人以上のアクティブユーザー
・ペット数220,000の診療実績
・250人以上の獣医師がプラットフォームで活躍
注目すべき数字としてはFirstVetはすでに40社以上のペット保険会社と提携済みとのこと。ペット保険会社としては、飼い主にとってメリットのある遠隔診療を推奨していくのは当然だと思うので、進出する市場におけるペット保険の浸透/加入率はこのビジネスにとって重要な要素だと思います。
今回進出するアメリカはペット保険加入率は3-4%と言われているので、これまでFirstVetがいた市場=ペット加入率の高い欧州(特にスウェーデンにおける犬の保険加入はなんと90%!)と比べると事業環境はかなり異なり、FirstVetとしては全く別の市場導入が求められるでしょうから、経営資源もリスク張って投下するでしょうし、大きな挑戦になるでしょうね。
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犬向けマスクを展開するGood Air TeamがShark Tankに出演
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こんな商品もあるよぐらいのご紹介です。Good Air Teamは「K9 Mask」という犬向けのフェイスマスクを販売しています。創業者はアメリカ/カリフォルニアで頻発する山火事により発生する有毒ガスをペットが吸引することのリスクへの解決策として、という考えが商品開発のきっかけになったようです。2019年に実施したクラウドファンディングを通じた販売を含めて、これまでの売上実績は$280K(約3,000万円)とのこと。
ちなみに「Shark Tank」の起源は日本のマネーの虎で、起業家が投資家に対してピッチして投資を受けられるかをエンターテインメント化している番組ですが、これまでにもペット向けD2Cフードで成功しているWild Earthも出演していたりとペット関連の起業家もちょくちょく出ています。
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