
ニューヨーク:ペットショップでのペット販売禁止へ(NewYorkTimes)
2024年12月にニューヨークではペットショップでのペット販売が禁止される法律が施行されます。15日木曜にNY州知事のキャシー・ホーチュル知事が法案に署名。対象は犬・猫・ウサギ。

以下に要点をまとめます。
ペットを非人道的に扱うことを禁じる
・非人道的な環境で飼育しているとされるブリーダーを禁じることで、動物の虐待や病気を防いだり、将来的な獣医療負担を防いだりすることが目的。
・ペットショップ経営者の中には、この法案によって廃業に追い込まれると言う人も。
・既に同様の禁止令を制定したカリフォルニア州やイリノイ州など、他のいくつかの州の先行事例がある。
・ニューヨークのペットショップは約80店舗
・当然ながら、この法案をめぐっては、支持者(動物愛護派)とペットショップ業界との間で激しい衝突が生じた。ペットショップ業界は事実上の廃業に追い込まれると主張して激しく反対。また、ペットショップ業界は、この禁止令は意図しない結果を招き、ニューヨーカーがペットを飼うことが難しくなり、地下のペット市場につながる可能性があるとも主張した。
・ペットショップ経営者の連合体であるPUPPI(People United to Protect Pet Integrity)は、ペット販売の全面禁止は、大切に育てたペットを売る誠実なペットショップを不当に傷つけると主張。
ペットの購入から引き取りへの流れを後押し
・当初の法案から改正が加わっており、施行される法案では、保護された動物をブリーダーから直接購入することは認められている。
・この法案の意図の一つは、人々がシェルター(保護施設)やレスキュー(救助団体)からペットを引き取ることを奨励すること。
・保護施設や救助団体は、パンデミック時にペットを探していた人々によって捨てられた多くの犬で溢れている。
(以上、NewYork Timesの要約)
ーーー
ペットショップでの販売禁止は世界のトレンド
このような動きは世界各地でのトレンドですね。2024年からは世帯飼育率が50%を超えるフランスでもペットショップでの販売が禁止されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220121/k10013442041000.html
スペインでも、この動きは加速しそうです。同様に店頭でのペット販売は禁止される方向で議論が進められています。スペインでは既存の動物園に対しては新規に外来種を購入することが禁じ、在来種の保護センター化を促すようです。
ペットの人間化、家族化の加速
スペインのこの動きの背景には、ペットをモノとして扱うことを禁じて人間と同様に感情や認知がある生き物として扱うこと、つまりはペットは人間と同様の家族であると、ペットのウェルビーイングを追求する法律も議論されています。実際に虐待して治療が必要な際は18ヶ月の禁錮系、死に至った場合は24ヶ月の禁錮系、という法案も出されているようです。