小学校の学費よりも高額!?SNS税を払ってでも世界の反対側と繋がる可能性 #ウガンダ
#東アフリカ学び旅 で最初に訪れたのは、ウガンダの首都カンパラ。
見てわかるように内陸国です。
近くには海に面しており東アフリカ最大のコンテナ港を抱える経済成長著しいケニアと、ジェノサイドの後ICT国として新しい道に進み始めようとしているルワンダ、2011年に独立しまだ政治状況の安定しない南スーダン、鉱物資源にも恵まれているが故の問題や民族紛争を抱えるコンゴ民主共和国、キリマンジャロや国立公園など自然豊かなタンザニア、というキャラの濃い強者に囲まれているのがウガンダです。
1962年までイギリス植民地であったウガンダでは、公用語として一定以上の教育を受けた人たちは英語が堪能です。
カンパラではルガンダ語(luganda)と呼ばれる母国語、スワヒリ語も話されているようですね。セボ〜〜ニャボ〜〜というワードはマスター必須です。(どのような意味かはこちらの方の記事を是非参照ください。)
ウガンダの特徴としては、“難民に寛容な国”なのだとか。
外務省のデータによれば、現在ウガンダに滞在している日本人の数は約300人(2019年1月現在)。その半数以上はJICA関係者、残りも多くの方が国連や開発関連の業務に携われている方、そしてその家族の方々だそうです。
一説によれば、ウガンダの今後の方針は、先進国の国際NGOや国連を多く誘致し、そのサポートを得ながら発展していく道しか残っていない!なんて声を聞くことも。。。
ユニークな点で言えば、ウガンダにはSNS税なるものがあります。
このSNS税とは、単純に言えば、WhatsApp(欧米版LINE)やFacebook、Skypeなどのソーシャルメディアの利用に対し、1日約5円の課税する新法です。
現場の声や日本人の方の驚きのツイートが下記の記事にまとまっています。
”ただこの新法では、具体的にどのように税を適用するのか、また徴税していくかについては規定していない。デービッド・バハティ(David Bahati)財務相は法制化の目的について、公的サービスの財源確保のためと説明している。しかしヨウェリ・カグタ・ムセベニ(Yoweri Kaguta Museveni)大統領は今年3月、財務省に対してインターネット上の「ゴシップ」の影響への対応策として、このSNS利用税導入を求める書簡を送っていた。” (引用:ウガンダ、SNS利用に1日5円課税へ ゴシップ対策と説明)
大統領のSNS税導入の真意はわかりませんが、、、
ウガンダ政府の統計調査によれば、国民の1家庭における1ヶ月の年収は416,000ウガンダシリング (約12,000円)(2016-2017)。
1日2,000シリング(5円)の課金つまり約150円/ 月の出費を、仮に家族5人養うとすれば、なんと収入の5%以上を占める計算になります。
雑な比較ですが、例えば青年海外協力隊として現地で活動されている方のお話によれば、公立小学校の年間かかる諸々の費用が約20,000シリングだそうなので、ざっくり単純計算すると、「月々の家族のSNS税の出費は子供1人小学校に行かせる学費よりも高い」ということなのです。
それだけではなく、これらのSNS税はウガンダで行われているビジネスにも多大なる影響を与えているのだとか。
確かに、昨今のECビジネスなどではInstagramやFacebookなどのソーシャルメディアを通じてコミュニケーションを取るものが多いですよね。ビジネスサイドから見れば、SNS税のコストはデメリットとして見られるでしょう。
もちろん、出費の面やビジネス面でもデメリットもありますが、今回注目したいのは、SNS税の導入の影響でインターネット上にあふれている様々な情報にアクセスできなくなることの弊害についてです。
ウガンダの公用語は英語です。イギリス元植民地時代の名残として多くの人がウガンダ流と言われつつも、英語を堪能に使い、そして理解しています。
それはロンドンやNYで発信され、流通している情報に同じようにウガンダの電気のない村からでもアクセスし、学べるということを意味しています。Facebookの全世界のユーザー数は22億人を突破とも言われ、その繋がり、影響は計り知れません。
私も道ばたで知り合った大学生の女の子とSNSのアカウントを交換する、という体験をしました。
もちろん、SNS税の導入により人々がSNSにアクセスしずらくなることが、直接的に情報格差を生むとは思いませんが、他の国では多くの若者たちがSNS上で国境を越えて繋がり、少なからず新しい情報に常に触れられる状況であることと比較すると、ウガンダの若者にとって良い環境であるとはあまり思えませんよね。
今回なぜ、ここまでインターネット、情報へのアクセスについて注目したかというと、私が普段ヨーロッパで使用しているアプリを通じ、ウガンダでのローカルイベントを発見し参加したことに由来しています。
遠く何千キロと離れたウガンダの街灯もないような場所で、現地の若者がどのような情報に触れ何を考えているのか、それを知る機会を私に与えてくれたのはまぎれもなくそのソーシャルメディアの力でした。
もちろん、イベントの存在や名前を元々知っているのであれば、Googleで検索すれば出てきたかも知れません。でも行ったこともウガンダ人の知り合いもいなかった私にとって、そのようなソーシャルメディアの存在はとても貴重で大きな情報源だったのです。
もちろん私の状況とウガンダ人の現状はまた違いがあることも重々承知ですが、言語と電波という2つのバリアを超えれば、誰もが平等に情報にアクセス出来る時代において、その情報を活用し今後ウガンダを盛り上げていく可能性のある新しい芽を育む邪魔をしている気がしてなりませんでした。
次回はイベントを通じて現地の学生と出会い感じたことを書きたいと思います。
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