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詩集 陽光のかほり・・・ 第3篇「息吹のバトン」
足元の大地は幾多の時・・・
幾多の生を経て人々が
流してきた血を
流した涙を
流した汗を・・ 記憶して続けている
大地は 血を吸い
涙を吸い
汗を吸い・・・
人々の塵芥を 養分に変え
草木を 作物を育み
森を作り 飲み水をろ過し
無限の還元を無言で行い続けてくれている
愚かな事に その大地を
アスファルトや コンクリートで 覆いだした社会は
かりそめの快適さの為に 手放した 大地の息吹を省みないまま
走り続けていく・・
大地が吸い続けた記憶
還元してきた生命の源
蓋をされたが 故に
一部は 地中に沈み 大地を揺らす
一部は 息吹きかえる 森へと 放出されていく・・・
何故?森に入ると 心が開くの?
アスファルトに耳をつけてみても 答は得られない・・
息吹のバトンが得られる場所は
還元のリズムに蓋をしなかった場所しかないのだから・・・・