猫もフィラリア症になる

【猫もフィラリア症になる】
“フィラリア症”というと犬と暮らす飼い主さんにはなじみのあるワードです。
蚊が発生する季節、4~11月頃まで駆虫薬を飲ませることで予防します。

近年、犬だけでなく猫もフィラリア症になることが分かっています。

【フィラリア症とは】
蚊が媒介する寄生虫が心臓や肺動脈に寄生することによって起こる病気です。
血液の流れが悪くなり、心臓、肺、肝臓、腎臓、血管に悪い影響を及ぼします。

日本でフィラリアを媒介する蚊は16種類いると言われており、フィラリアの幼虫は、基本的に血液の中にいます。蚊が既にフィラリアに感染している動物を吸血した時に血液と一緒に幼虫が蚊に移ります。

猫に感染した幼虫は、皮下組織や筋肉で2〜3ヶ月成長した後、血管中の血流に乗り、心臓や肺の血管に向かい、感染してから約100日で肺または心臓で5cm位の成虫となります。

猫の場合は、肺や心臓に到達するまでに幼虫が成虫になりきれず、その多くは死んでしまいます。

成虫として寄生できるのはごく一部で、猫1頭に対し、1~3匹くらいと言われており、成虫になると猫の心臓や肺の血管で2〜3年ほど生存します。

【症状】
犬の場合は心臓や肺の血管に成虫が詰まることで咳や心臓発作、心不全による腹水などの症状が出ます。

一方、猫の場合ははっきりとした症状がなかったり、他の病気と見分けがつかない症状が出ることが多く、診断が難しいとされます。
尚且つ、気付いた時には重篤化していたり、一見元気そうにしていた猫が突然死を起こす原因になることもあり、発症した時点で手遅れの場合も少なくありません。

更に猫は寄生している虫の数が少ないため、感染していても検出できない場合が多くあります。

【治療】
フィラリア症に感染した猫の中には、症状がなく自然治癒する猫もいます。
しかし、症状を発症した猫は、心臓や肺の血管に受けたダメージを完全に治すことが難しく、投薬をやめると咳などの症状をぶり返すことが多いので、長期または生涯、投薬を続ける必要があることが多いとされます。

猫の場合は一般的に“駆虫薬”は推奨されておらず、まだ確立された治療法がないため、最新の情報を確認しながら獣医と治療方針を相談していくのが望ましいとされています。

蚊は怖い病気を媒介する虫です。
できる限り室内への侵入を阻止したいものですね。

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