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気まぐれか病気か?猫の病気のサインを見分けるコツ

わたくし、猫と暮らした経験はございません。
以前の仕事(動物病院での)で、猫のお世話をしたことがあるよ、程度。

最近は知らないけど、当時、猫が来院すると、非常に院内に独特な緊張が走り、逃げない対策、咬まれる、引っ掻かれる対策(と心の準備)をしてから、診察室に入っていただき、診察や治療が終わると、当の猫、そして猫のご家族も含め、全員、白目・・・みたいな。

まあ、まだそんな時代だったせいもあるけど、
「猫は病気や怪我をさせてはいかんな!」
と身を持って感じておりました。

ということで、現在、犬や猫へのセラピーを提案している立場から、
【猫の病気予防・健康維持】についての発信をさせてくださいませ。


猫の異常行動:気まぐれと病気のサインの違い

愛猫の行動が最近おかしい…。
そんな不安を感じたことはありませんか?

猫は時に奇妙な行動(可愛いいとも感じますが)を見せるけど、
それが単なる気まぐれなのか、それとも病気のサインなのか、見分けるのは難しい。

この記事では、猫の異常行動を正しく理解し、適切な対応をするためのポイントをご紹介。

猫との信頼関係を深めながら、健康管理に役立ていただけたらと思います。

◉気まぐれな行動の特徴

猫の気まぐれな行動には、一定のパターンがある。
突然走り回ったり、何もないところを凝視したりする行動(やめて、何がいるの?)は、多くの場合、単なる遊びや好奇心の表れ。
短時間で収まるものは、気にしなくてOK。

◉病気のサインとなる行動の特徴

一方、病気のサインとなる行動は、持続的で顕著な変化を伴う。
食欲の急激な変化、排泄習慣の乱れ、極端な活動量の増減などが代表的。
これらの変化が数日以上続く場合は、何らかの健康問題を示している可能性が高いかも。

◉見分けるためのポイント

気まぐれと病気のサインを見分けるコツは、日常的な観察しかないといっていいほど。
猫の通常の行動パターンを把握し、そこからの違和感を注意深く観察することが重要。
食事の量と頻度、排泄物の状態、毛並みの状態や目の輝き、呼吸の様子などに注目して。


よくある猫の異常行動とその意味

理解しがたい猫の行動の裏には、猫なりの理由や意味が隠されていることが多い。
よく見られる猫の異常行動(というか、こちらを不安にさせる行動)その意味について考えていきましょう。

◉食欲の変化

食欲の変化は、特に重要な指標となる。
多くの病気の初期症状となるからで。
突然の食欲不振は、歯の問題や消化器系の疾患を示している可能性があり。
一方、過度の食欲増進は、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの兆候かもしれない。
ただし、環境の変化やストレスによっても一時的な食欲の変化は起こりうるので、持続的な変化には、特に注意。

◉排泄習慣の変化

トイレの習慣の変化は、健康問題を早期に発見できる重要なサイン。
頻尿や排尿困難は、尿路感染症や結石の可能性あり。
一方、便秘や下痢が続く場合は、消化器系の問題や食事の変更による影響かも。
また、いつもと違う場所での排泄は、ストレスや領域マーキングの行動である可能性もありよ。

◉活動量の増減

猫の活動量の急激な変化は、健康状態の変化を示唆することがある。極端な活動量の減少は、痛みや病気の兆候かも。
特に高齢猫の場合、関節炎などの慢性疾患の可能性あり。
逆に、過度の活動量の増加は、甲状腺機能亢進症などのホルモン異常を示している可能性がある。
ただし、季節の変化や新しいおもちゃの導入などによっても活動量は変化するので、総合的に判断することが重要。

◉毛づくろいの変化

毛づくろいは猫にとって重要な日課。
その頻度や方法の変化は注意が必要。
過度の毛づくろいは、ストレスや皮膚の問題、アレルギーなどが原因かも。
逆に、毛づくろいをしなくなる、または毛並みが悪くなる場合は、口内炎や関節の痛み、全身状態の悪化などが考えられる。

◉鳴き声の変化

猫の鳴き声の変化も、健康状態を知る重要な手がかりだ。
通常より頻繁に鳴く、または鳴き声が変わる場合は、痛みや不快感の表れかもない。
特に高齢猫の場合、認知症の初期症状として夜間の異常な鳴き声が見られることあり。
また、急に鳴かなくなった場合は、喉の痛みや全身状態の悪化を示している可能性がある。


要注意!病気のサインと見逃しやすい症状

猫は本能的に弱さを見せないようにする動物で、そのため、病気のサインを見逃してしまうことも少なくない。
しかし、早期発見・早期治療は猫の健康管理において非常に重要なので、即座に対応が必要な症状と、見逃しやすいけれども注意が必要な症状を確認しておきましょう。

◉獣医師に相談すべき症状

獣医師への相談が必要な症状は、猫の生命に関わる可能性がある。呼吸困難や持続的な嘔吐、突然の麻痺などは緊急性が高い症状。
特に、呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸している、または呼吸が浅く速い場合は、心臓病や肺の問題の可能性があり、即座に対応が必要。
また、24時間以上何も食べていない、飲んでいない場合も、脱水や肝リピドーシス(肝臓に脂肪が異常に蓄積する病気)のリスクがあるため、すぐに獣医に相談!

◉経過観察が必要な症状

一方、即座に緊急性はないものの、注意深く観察が必要な症状もある。例えば、軽度の食欲低下や活動量の減少、わずかな体重変化など。
これらの症状は、初期の段階では気づきにくいが、持続する場合は潜在的な健康問題を示している可能性がある。
特に、高齢猫の場合、これらの微妙な変化が慢性疾患の初期症状であることも多いため、定期的な体重測定や食事量のチェックが重要。

◉見逃しやすい重要なサイン

猫の病気のサインの中には、一見して問題ないように見えるものもある。
例えば、水飲み量の増加は、腎臓病や糖尿病の初期症状である可能性あり。
また、猫砂の使用量が急に増えたり減ったりする場合も、尿路系の問題を示唆しているかもしれない。
さらに、普段と違う場所で休むようになったり、高い場所に上がらなくなったりする行動の変化も、関節の痛みや視力の低下などを示している可能性がある。
これらの微妙な変化にも注意を払い、疑問に感じたら獣医師に相談することが大切ですね。


ストレスフリーな環境づくりで予防する

猫の健康維持には、ストレスフリーな環境づくりが大事。
これは、猫の特徴や本能をよく理解すると、なるほど!と思うことがある。
ストレスは様々な健康問題の引き金となり、免疫系にも悪影響を与えることになる。

◉日々のケアで実践できる予防策

日常生活の中で実践できる予防策は、多くある。
まず、猫の好みに合わせた快適な休息スペースを用意することが重要。高い場所や隠れ家のような静かな空間を提供することで、猫は安心して休むことができる。
また、適度な運動と遊びの時間を確保することも大切。おもちゃなどを使って、身体的・精神的な刺激を。
さらに、清潔な環境を維持することも重要。
特にトイレの清掃は毎日行い、猫が快適に排泄できる環境を整えましょう。

◉東洋医学的アプローチによるストレス軽減法

東洋医学の考え方を取り入れることで、猫のストレスを効果的に軽減できる。
多角的な視点で、ストレスの原因を捉えてみたり、
「気血津液」の流れを整えるセラピーを行ったりするのも効果的。
例えば、百会(ひゃくえ)と呼ばれる頭頂部のツボを優しく刺激することで、全身のリラックス効果が期待できる。
このセラピーは、猫との触れ合いの時間を増やすことにもつながり、信頼関係の構築にも役立つので、オススメ。
さらに、自宅で継続的に行えることが、通院することの不必要な不安やストレスを避けることになる。これ、大事。

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オマケ・獣医師に相談する前にできること

少しハードルが高くなるが、軽度の症状であれば、まず自宅でできるケアや観察を行うことで、不必要な不安や通院のストレスを避けることができる。

◉体温測定

猫の正常体温は38.0〜39.2℃程度。

◉歯茎の色のチェック

健康な猫の歯茎はピンク色。白っぽかったり、ドス黒いとか、濃い赤色だったりする場合は注意が必要。

◉皮膚の弾力性のチェック

脱水の有無を確認できる。首筋の皮膚をつまんで離し、すぐに元に戻らない場合は脱水の可能性あり。

◉軽度の下痢、嘔吐

24時間程度絶食させ、その後少量の消化の良い食事から始めると良い。水分は少量ずつ与え続けることが重要。

◉てんかんや心臓の発作など

安全な場所を確保。動画を撮っておくと、獣医師に説明しやすい。


まとめ

猫でも犬でも一緒に暮らしていると家族です。いや、それ以上の存在。
具合が悪そうなときは、本当に心配になりますよね。
さらに、動物病院に行くタイミングとか、どう考えていいかわからなくなって、異常行動が気になるけど、本音は単なる気まぐれだと思いたい〜みたいな。
そんなパニックに陥らないためのポイント、以下にまとめます。

• 猫の異常行動を見分けるには、日常的な観察が鍵。食欲、排泄習慣、活動量、毛づくろい、鳴き声などの変化に注目し、持続的な変化が見られる場合は要注意。

• 即座に獣医に相談すべき症状(呼吸困難、持続的な嘔吐など)と、経過観察が必要な症状(軽度の食欲低下、わずかな体重変化など)を理解し、適切に対応することが重要。

• ちょっと気になる猫の行動変化を見つけたときは、客観的に把握するために、食事量や排泄回数などを記録し、定期的に写真や動画を撮影するなどの工夫を。

• ストレスフリーな環境づくりは、病気の予防に効果的。東洋医学的アプローチを取り入れたコロコロヒーリングや、快適な休息スペースの提供、適度な運動と遊びの時間確保などを心がけましょう。

• 軽度の症状の場合は、まず自宅でできるケアや観察を行いましょう。体温測定、歯茎の色チェック、皮膚の弾力性確認などの簡単なチェック方法を身につけ、動物病院に行くストレスを極力減らしてあげましょう。

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