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【映画の中の詩】「ローマの休日」(1953)
『ローマの休日』(1953)。ウィリアム・ワイラー監督。
主演オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック。
出会いの場面でオードリーは「この詩ご存じ?」と問いかけるが、検索しても出所は不明。脚本のダルトン・トランボ(『ジョニーは戦場へ行った』の原作、監督)の創作では、という意見が多いようです。
この後の会話で「何か声明がおありかな?」と聞かれたオードリーが暗記させられているのであろう、若者に対する提言を述べるのにつなげるために「葬られようとも その声を聞かば...」というフレーズがほしかったのだろうか。
シェリーかキーツか?それが問題だ!
次のキーツかシェリーかの論争はシェリーが正解。「Arethusa」
「❝your sleeping on the couch, not on the bed.❞
ソファー(couch)で寝るんだ。ベッドじゃない」
と言われたオードリーはその ❝couch❞ に反応して、
〈Arethusa arose
From her couch of snows〉
アリシューザは
雪のcouch(寝床)から立ちあがった
というフレーズで始まる「アリシューザ」を朗読します。
参考リンク:
シェリー詩集 (アポロン叢書 ; 第8) 佐藤清 訳
「アリシューザ」
https://dl.ndl.go.jp/pid/1671029/1/50