【映画の中の詩】『嵐の青春』(1941)
「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり」
監督は『チップス先生さようなら』(1939)、『恋愛手帖』(1940)等のサム・ウッド。
ドレイクは事故にあった際に個人的な恨みを持つ医師によって必要もない両足切断の手術をされてしまいます。
友人パリスはその事実を告げる前に英国の詩人ウィリアム・E・ヘンリー(1849年8月23日 - 1903年7月11日)の『インビクタス(敗れざる者)』という詩の一節を引用します。
この詩の作者ウィリアム・E・ヘンリーは骨結核で左脚の膝下を切断しています。
友人だったロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『宝島』の片足の海賊ジョン・シルバーはヘンリーをモデルにしています。
詩人のこのようなエピソードも映画にインスピレーションを与えたのでしょうか。
クリント・イーストウッド監督『インビクタス/負けざる者たち』(2009)のテーマとしても作中でくりかえし引用される詩となっています。
テーマ曲はエーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト。ジョン・ウィリアムズに影響を与え『スターウォーズ』の元ネタと言われています。前にレヴューした『真夏の夜の夢』 (1935年)の編曲等も担当しています。
参考リンク
「負けじ魂」(ヘンレイ)『人生詩集』帆足理一郎 編
「Invictus」『近代英詩評釈』矢野峰人 著
「打ち勝たれぬ心」『現代英米詩選』浦瀬白雨 訳
映画『インビクタス/負けざる者たち』 (Wikipedia)
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