
密室 12
隻脚の言葉で 美しいと
名残惜しければ 永遠と
震えながらに 麗しの と
褒め歌を捧げればいい
比喩の呪文が必要なのだ
この世の華やぎが尽きるまで
あなたの かすかに聞こえる歌声に耳をすまし
不可視の迷宮を彷徨う わたしには
時よ止まれ 鐘よ鳴れ
見えていてすでに あなたは記憶のなか
晴れやかな憫笑と 聖餐の
器のような鼓膜に
囁きを与えたもう
2025-02-12 16:45 JST
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