No.133 1983年 4年生社会科 原田泰治さんの絵で日本の景色を探る
1982年4月から『朝日新聞』日曜版で連載された「原田泰治の世界」は日本各地の人々の暮らしや風景、行事などを絵に描き紹介してくれました。その連載の絵がある程度ストックできた1983年に、4年生社会科で学習していた
「いろいろな土地のくらし」(当時、現在は短縮されて5年生で学びます)で学習材の1つとして活用しました。当時4年生での「いろいろな土地のくらし」は気候と土地の高低によって国内の特色ある土地を学んでいました。気候による違いとして冬の新潟や北海道と沖縄、土地の高低による違いとして長野県の野辺山と岐阜県の海津町を比較して学びました。そのため、それらの土地をフィールドワークし学習を組み立てました。その発展として原田泰治さんの絵を鑑賞するプログラムをつくりました。
日曜版の絵を切り抜き画用紙に貼り付けます。そこに地名と日付を記入します。第1回は原田さんの地元長野県にある「あんず」の里更埴でした。
1982年から1984年まで100以上の絵が紹介されました。1983年度の4年生には連載の途中でしたが授業中に鑑賞すると共に、廊下の掲示板に張っていつでも見られるようにしました。
それぞれの都道府県ではどこが紹介されているか画用紙に都道府県の形を描き、該当する場所を書き込み提示しました。
全ての都道府県の各地を取材されていることが分かりました。
この学習が終わると、子どもたちが原田泰治さんに「学んだこと」のお手紙を書きました。原田さんからお返事を頂き東京で開催されている個展が分かり会場に伺い直接お会いすることができました。後に2冊の本を送って頂きその後の学年の学習では教室に置いて、いつでも見たり読んだりすることができるようにしました。
『にっぽんの四季を描く 原田泰治の世界展』朝日新聞社、1984年。
原田武雄文 原田泰治絵『泰治が歩く 原田泰治の物語』講談社文庫、1983年。
『にっぽんの四季を描く 原田泰治の世界展』の原田泰治さんの紹介に次のような文章がありました。「1歳のときにかかった重度の小児マヒによる足の不自由さを克服。『行動の自由を失ったかわりに、細かに物を見、記憶する力を養うことができた』という。」素晴らしい生き方だと感じました。
原田泰治美術館が長野県諏訪市の諏訪湖のほとりにあります。2024年春に行く予定です。
参考
原田泰治美術館
https://www.taizi-artmuseum.jp/