No.44 2012年~2019年 5年生編入希望児童への社会科体験授業「ゆるキャラで日本地図、オリンピックマスコットで世界地図を学ぶ」
聖心女子学院初等科では11月1日に1年生の入学試験が、3日には合格発表が行われます。それが終わると第2週の土曜日には5年生編集希望者に学校説明会が行われますが、その中で体験授業を希望する方には30分位の授業に参加してもらいます。私が担当していた時には、国語・算数・社会・英語の教科から選択して体験をして頂きました。4年生の方が翌年の1月に受験をしますが、2年生や3年生の方も少数ですが体験授業を希望しています。ですから、異学年の児童に向けて楽しく感じてくれる授業を心がけました。社会科の体験授業には毎年30名ぐらい参加してくれました。
2012年から4-4-4制が始まり、その時から5・6年生の社会科専科を担当しました。No.41では5年生の「オリジナル地図」づくりをご紹介しましたが、2012年の5年生二人が作成した作品の許可をもらい体験授業で使わせてもらいました。「日本ゆるキャラ地図」と「オリンピックマスコットのふるさとは、どこ?」です。マスコットの方ですが、その後2016年のリオデジャネイロのヴィニシウムとトム、2020年の東京のミライトワとソメイティはその時の5年生が描き足してくれました。
2019年11月の社会科体験授業のようすです。子どもたちが教室に入ると、黒板には写真のように日本各地の「ゆるキャラ」と「オリンピックのマスコット」が張ってあります。
机の上には「ゆるキャラ地図」「オリンピックのふるさとは、どこ?」のB4のコピー、初等科1年生から6年生まで全員が持っている『地図はともだち!改訂版』(私立小学校社会科研究会編集)が置いてあります。
最初の問いかけは「あなたの好きな『ゆるキャラ』は何ですか」です。こどもたちからは「くまモン」「バリィさん」「ひこにゃん」など有名な「ゆるキャラ」の名前があがります。
次に「日本ゆるキャラ地図」をみてもらい、
「その『ゆるキャラ』はどこの都道府県のキャラクターか分かりますか?」とと聞くと「『くまモン』は熊本県」「『バリィさん』は愛媛県」「『ひこにゃん』は滋賀県」と出てきます。
『地図はともだち!改訂版』の日本地図を開いてもらいます。
「好きな『ゆるキャラ』の名前をあげて、そのキャラクターに関係がある都道府県を地図に指して下さい。」と問いかけ、全員で地図に指すことをします。ここから5年生数名のサポーターが入り、指せないこどもに教える役割を果たしてくれました。
次は「オリンピックのマスコットのふるさとはどこ?」です。
黒板の「オリンピックのマスコット」を見てもらいます。1980年のモスクワオリンピックの「こぐまのミーシャ」から2020年の東京オリンピックの「ミライトワ」とパラリンピックの「ソメイティ」まで見ていきます。
次に、「オリンピックマスコットのふるさとは、どこ?」を活用します。
次のように問いかけます。「この中から楽しそうなマスコットを選んで、そのマスコットに関係がある都市はどこでしょうか。」「その都市がどこの国にあるかも考えて下さい。」
もちろん、どの国か分からない場合は教えます。
『地図はともだち!改訂版』の世界地図を開いてもらいます。
そして、「好きなマスコットの名前とその都市その国の名前を発表して下さい。」と問いかけます。
子どもたちは思っていたより国名が言えていました。
マスコットごとに世界地図から国名を指していく活動を行いました。
ここでも5年生数名のサポーターが入り、指せないこどもに教える役割を果たしてくれました。
体験授業に参加してくれた子どもたちが、キャラクターを通して日本地図と世界地図に関心を持ってくれればという思いでした。
授業で使った「日本ゆるキャラ地図」「オリンピックマスコットのふるさとは、どこ?」『地図はともだち!改訂版』は毎回お土産として持ち帰ってもらいました。
この体験授業に参加してくれた子どもの何人かは、5年生になり社会科の授業で出会うことになりました。
2018年と2019年には、体験授業が終わってから講堂で親子が集まっての説明会も行われました。私は「活用力としての作文」の学び方について話をしました。2019年は11月9日でした。この日は「ベルリンの壁」が崩壊してからちょうど30年目にあたりました。簡単に「ベルリンの壁崩壊」の話をして、「私が壁を削った実物を後で展示しますので見て触って下さい」と最後に言いますと、後で数家族が親子で楽しそうに壁の欠片を触ってくれていました。「こんな家族っていいなあ」と感じました。
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