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タトゥー

某タレントが腕にいれた家族の名前のタトゥーを公開したところ、批判が相次いだようです。

まず、その批判に対し怒るのではなく冷静に自分の意見を述べた彼は凄いと思います。素直に尊敬します。


さてタトゥーについて。日本では特に偏見のある体の装飾の一つですね。

私も、わき腹あたりに一つタトゥーがあります。腹を出す服でない限り普段は見えない場所です。

時が来たら親に言おう、と思ってた矢先母に見つかり、それはこっぴどく怒られました。
「タトゥーは嫌なの!嫌なものは嫌なの!」
「健康に産んであげた体に傷をつけて!」
「体を悪くするんだよ!」
全部予想してた反応でした。


タトゥーを入れる理由は人それぞれです。現在はおしゃれ目的が一番でしょうが、なにか意味をこめて入れる人もたくさんいます。私もそうです。

私が入れた理由は、まず”自分に自信をつけるため”です。私は元がとてもネガティブで自分らしさがない自分が大嫌いで、嫌でも他人と比べてしまい、どうしようもなかったんです。タトゥーという、入れる場所、柄、覚悟、込めた思いが一人ひとり全く違うものを体に刻むことで「自分」を見直せるきっかけになると考え、入れました。だからこそ自分自身や信頼する人しか見られない場所に入れたんです。実際、世界に一つのタトゥーが体にあることで、「自分は自分」というのをはっきり感じ取ることができ、それをきっかけに自分の他の要素も認められるようになったんです。くだらない言い訳だと思うかもしれませんが、私の中ではちゃんとした理由です。


もう一つの理由は、”偏見の多い社会にうんざりしたから”です。現在は若者を中心にタトゥーをしている人が増えてはいますが、いまだ「タトゥーはヤクザのすること」「とにかく見ていて気持ちよくない」などの考えがたくさんあります。個人が何を思おうが構いません。嫌なものは嫌で構いません。それらの意見も重々承知しています。でも、それを「してはだめだ」「タトゥーをしているからその人が嫌になった」というのはまた違う話だと思います。確かに怖いヤクザのイメージが強ければ反射的に避けたいと思ってしまうでしょう。他の体の装飾と違ってなかなか消えないものだから特別に思ってしまうのもあるでしょう。でも、あくまでタトゥーも体の装飾の一つです。ピアスやヘアカラーと同じ類です。
「あの人はピアスがたくさん開いてて気持ちが悪い。避けよう」
「友達が髪の毛をピンク色にした。普通じゃない。もう付き合わない」
あんまりこんな風にはなりませんよね。でもタトゥーだと平気で言われてしまう。その人の見た目の個性で色々決め付けるのは、良くないことだと私は思います。タトゥーを好きになれ、と言ってるのではありません。タトゥーで人を決め付けないでほしいのです。それはその人を構成するたった一要素に過ぎないのです。それでも社会の”一般的な考え”というのは恐ろしく力があるので、やっぱり”だめなもの”と思ってしまうのでしょう。でも「私は好きじゃないけど、まぁ彼の一つの個性だし、いいか」くらい余裕がある考えを持って欲しいな、と思います。


「タトゥーを正当化しようとする綺麗ごとだ、言い訳だ」と思う人もいるでしょう。仕方ありません。偏見があることに関して偏見をなくそうと思うと、どうしても言い訳ぽくなってしまいます。


でも、タトゥーがある身として、こんな思いを抱いているということは分かって欲しいです。

※画像はphotoACより