ライズなし The Poer Of Love をめぐるストーリー
男は古いオービスの竿を持ってサンフランスコにいた。
チャイナタウンの入り口の門をぬけ、ブッシュストリートを渡り100mほど進んだ左手にオービス・ショップはあった。男は1階のアウトドア・ウェアを扱うフロアを抜けると、2階の釣り道具売場へ上がり、古いオービスの竿を店員に差し出した。
「この竿の修理を頼みたいんだ」
8フィート、6番、3ピース。「トラウト」と名づけられたその竿は、男のものではなく男の友人の預かりものであった。長めの竿が流行の最近ではあまりぱっとしない竿ではある。
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